2001年1月17日水曜日

【チャイコフスキーの交響曲を聴く】交響曲第1番/スヴェトラーノフ ロシア国立交響楽団

  1. Allegro tranquillo
  2. Adagio cantabile ma non tanto
  3. Scherzo,Allegro scherzando giocoso
  4. Final,Andante lugubre-Allogro maestoso
  • 指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ
  • 演奏:ロシア国立交響楽団
  • 録音:8 Jun.1993 モスクワ放送局大ホール
  • CANYON CLASSICS PCCL-00510(国内版)
交響曲 第1番をスヴェトラーノフ指揮、ロシア国立交響楽団の93年の録音から聴いてみた。

この交響曲には「冬の日の幻想」という標題が付けられているが、2番や3番などと違いこれはチャイコフスキー自らが付けたらしい。曲を聴くに当たっては、あまり標題にはこだわらないほうが良いと主張する人もいるが、曲を理解する手がかりにはなると思う。

第一楽章、弦の上にフルートとファゴットによる旋律が流れるが、非常に美しい出だしである。弱々しい冬の光が、凍てついた大地の上を転がるようなさまが思い浮かばれる。このテーマがひたすら展開されてゆく。ほとんどテーマだけでできているという印象さえ受けるが(^^;;、すがすがしい楽章である。

第二楽章は弦の美しいアダージョではじまる。オーボエが旋律を奏で、弦楽器やホルンへと受け継がれるが、非常に泣かせる旋律。最初のオーボエとフルートの掛け合いは、本当に美しい。いわゆる日本人好みの曲かなと思う。チャイコフスキーは演歌だと言い切る人もいるが、それはさておき、私もこの楽章は非常に好きである。交響曲 第6番を彷彿とさせる部分や、最後はなんだか白鳥の湖のような盛り上がりを見せる部分もあり、チャイコ節が楽しめる楽章だと思う。 

第三楽章は軽快なワルツ風の楽章でこれもチャイコフスキー好みに仕上がっている。ちょっと不安げな楽章である。

第四楽章は暗い出しながらも徐々にフーガ風(?)に色々曲想を変えながら、金管の咆哮する壮大なライマックスへとつながってゆく。「うるさい、単純すぎる、『冬の日の幻想』が何でこういう解決になるのだ」と訝る方ももしかしたら居るかもしれない(実は私がそう思った)。しかし、こういうドンチャカはクラシックを聴く醍醐味だと思う。ファイナルは素直にスピーカーに向かって(^^;;;「ブラボー!!」と叫べる曲である。

曲全体としては、ロシア民謡なのか旋律線が印象的である。テーマも深刻だったり力瘤の塊りのような感じもない。交響曲としてはあまり複雑な形態をとっていないせいか、演奏時間は50分弱であるものの気軽に聴ける曲に仕上がっていると感じる。

スヴェトラーノフはこの交響曲を同じロシア国立交響楽団と1990年5月にも録音しているようである(CANYON PCCL-00096)。この盤はそれよりも新しいもの。90年の演奏は聴いていないが、録音状況も良く、非常に満足のできる演奏が展開されている。

低弦や打楽器群の音量が強く重厚な演奏とえいる。テンポも比較的ゆったりしているが、ベタ遅という感じでもなく、また適度にテンポが振られている点も、聴く側にとっては適度にスリリングであり、聴いた後の満足感は高い。しかし、3年をおいて再び録音したということは、以前の演奏が気に入らなかったのであろうか・・・

同時カップリングは1812年だが、これについては機会を改めたい。