2001年1月28日日曜日

【チャイコフスキーの交響曲を聴く】 交響曲第2番/ロストロポーヴィッチ指揮 ロンドン響

  • 指揮:ロストロッポーヴィッチ
  • 演奏:ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
  • 録音:Oct.1976
  • EMI TOCE-3486

第一の印象はスヴェトラーノフの版と比べて、土臭さが少ない、言い換えるならば、スヴェトラーノフがうたいきったロシアっぽさが少ないという感じである。先に書いたこの曲のもつスラブのにおいが感じられないのだ。オーケストレーションは、中音から低音がすざまじく、特に打楽器群の録音状況は再生装置をぶち壊さんばかりである。確かにスヴェトラーノフも重量級の戦車のような響きではあるが、趣が大分異なる。ロシアくさくないといっておきながら恐縮だが、妥当な比喩かは分からないが「サンクトペテルブルグの宮殿のシャンデリアのような響き」という印象である。

1楽章から聴いてみよう。最初の強打のアインザッツからして、この二人では表現している方向が違うことに気づかされる。改めて聴いてみると、スヴェトラーノフは贅肉を殺ぎ落とした表現をしているように感じる。確実な低弦の響きと金管との絶妙のハーモニーは、「交響曲という大作」にふさわしい印象を与える。少し乾いたような音と迫りくるリズムは圧巻で、打楽器の強さと若干早めのテンポ設定のため、中間部はすさまじいばかりの盛り上がりを見せる。しかし、そのスピード感故か、情に流されすぎないような処理をしているようにも感じられる。むしろ、この曲が持つリズムと躍動感が強調されるような演奏だ。1楽章の終わりは、ふと「悲愴」を思わせる終わり方をする。

2楽章は柔らかく優雅である。行進曲風のところもふところの深い演奏を聴かせてくれる。特に中音域が豊かである。

3楽章もあまり抒情性を感じない。スヴェトラ版で感じた妖精の踊りはここには見えない。おかしな表現だが、見事なシンフォニーの第三楽章を聴いているとう感じなのだ。

4楽章も劇的とも言えるオーケストレーションで、一気にラストまで畳み込むようだ。非常に豪華な音である。勇壮無比な快演と称して良いと思う。

スヴェトラ版と比較する形で聴いてみたが、ロストロポーヴィッチはこの演奏で、標題性をむしろ排したような演奏を目指したのではなかろうか。ロストロ版は、スヴェトラ版を先に聴いていれば少々野暮ったく感じるかもしれない。テンポもかなり遅い設定であるし。しかし、それが味といえば味なのだが。どちらが好きかは、好みによるだろう。私的には、この曲を味わうためには、二つの中ではスヴェトラ版となるが、気分次第ではロストロの世界が好ましいと思うときもあると思う。

まあ、私の書くCDの感想なんて、そんな相対的なものだ。何だか、全然的外れな感想だと思う方がいらっしゃったら、ご意見いただきたい。