2002年10月28日月曜日

【風見鶏】 「Health Official Says Gas Killed 115 Hostages in Moscow」

10.28
The New York Times
By BEUTERS
Filed at Oct.27 2002 4:10 p.m. ET
Filed at Oct.27 2002 6:48 p.m. ET
朝日新聞 10.28朝刊

モスクワでのチェチェンゲリラによる劇場占拠事件は、ゲリラが要求貫徹のために人質を殺し始めた直後に、特殊部隊(Alfa Troops)が強行突入し解決されたが、115名もの人質の命が失われるという悲劇的な結果となった。これが「解決」と言えるのかは疑問だ。テロリストに対する容赦のない強行手段は、新たな悲劇のトリガーのようにさえ思える。

ところで、作戦の決め手となった催涙ガスについてであるが、それは無能力化剤の一種で(Anaesthetic)、外科的処置に使う麻酔のようなもらしい。しかし使用量をふやすと、意識の喪失、身体機能の不能、血流異常などを引き起こすものであるとらしい。ロンドンの、security expert Michael Yardley は、アメリカ軍がベトナム戦争において最初に使った'BZ'(3-キヌクロジニルベンジラート)ではないかと NY Times は指摘している。

また同誌は、ロシアは今のところ、使用したガスについて言及を避けているが、特別に禁止されてはいないものの、所有していないはずのものであり、グレーゾーンにあるものだとしている。イギリス王立大学の麻酔専門家 Dr.Peter Huttonは「he knew of no medical anaesthetic gas that could have been used in the way tha gas was used in Moscow.」とし、「"It's almost certainly something that's developed, owned, and used only by the military"」と述べている。

ロンドンを拠点の防衛コンサルタント Paul Beaver は、ミリタリーガスには必ず解毒剤があるものなので、軍が必要な措置を準備しないで突入したのは明らかな計画の不備だと指摘している。

朝日新聞はガスはジアゼパムであった可能性も指摘している。ガスのことばかり引用してしまったが、いずれにしても、かなり強硬な解決であった。チェチェン問題そのもののロシアの対応、および今回のテロ対策のありかたなど内外から厳しい追及を受けることは必至かもしれない。

HIYORIみどり 「人質をゲリラが殺し始めたから突入したっていうけど、テロリストが殺す以上に政府側が殺してしまうことになったような気がしないでもないわ・・・痛ましくて記事を読めないわ」
KAZAみどり 「ゲリラは爆弾を腰に巻いていいていつでも導火線に火を付けられるようにしていたわ。人質の救出のためには一刻の猶予もできなかったという状況だったようね。劇場ごと吹き飛ばされた場合を考えたら、最悪の事態は回避できたと考えることもできるかもしれない。」
HIYORIみどり 「他に方法はなかったのね」

KAZAみどり 「説得には応じなかったし、プーチンもチェチェン政策を変えるつもりはなかった。歩み寄るところは最初からなかったわけよ。でも毒ガスのようなものを使ったことを含め、作戦のあり方は人道的にも問題がありそうね。」
HIYORIみどり 「逃げるゲリラを後ろから撃ったという目撃談も語られ始めたらしいわ。人質の方々の精神的なショックも考えると、キメ細かいサポートがいるわね。」

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