2003年1月20日月曜日

《指環》抜粋を聴く

ワーグナー楽劇の集大成といえば「ニーベルングの指輪」四部作につきるのだろう。「指輪」を聴かずしてワーグナーは語れないとワグネリアンなら言うだろうか。 



ショルティの偉大なる業績は昨年来から入手済みであったのだが、何しろ解説が英語とドイツ語とフランス語である。物語の概要も全く知らないのに8ポイントくらいの小さな文字の解説など読む気にならない。気軽に聴こうと思ってもボックスが4セットである。正常な神経の持ち主ならうんざりするのが当然だろう。封も切らずに棚に置かれたままになっていた。


オペラの抜粋ものというのは、どうしても触指が伸びないのだが、ものの試にと Teldec Classics から発売されてる「New1枚でオペラ」シリーズから「ラインの黄金」と「ワルキューレ」をゲットしてみた。どちらも指揮はダニエル・バレンボイム、演奏はバイロイト祝祭歌劇場管弦楽団、前者は1991年の後者は1992年のバイロイトからのライブ録音である。 
さて、今でも「指輪」のストーリーはほとんど分かっていないのだが、ジークムント、ジークリンデ、ジークフリートなどの名前くらいは聞いたことがある。配役の名前を読んでいるだけで、なんだかワクワクしてくる。松本零士のマンガも思い出す。

本来なら「ラインの黄金」から聴くべきなのだが、そこはそれ「ワルキューレ」第3幕、かの「地獄の黙示録」で有名な「ワルキューレの騎行」だけ、まず聴いてみた。「地獄の黙示録」のワルキューレは、どうやらショルティの演奏であるらしい。しかし映画では音をかなりいじって重ねたりしているので、本来の演奏からはかけ離れたものになっているとのこと。
さてさて、バレンボイム版とショルティ版を聴き比べてみたが、どちらの演奏もワルキューレたちの「Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha! 」という奇声に乗って奏でられる曲は壮絶である。まったく延髄蹴りをくらったかのような眩暈を感じてしまう。
続いて「ラインの黄金」の抜粋を聴いてみた。「ラインの黄金」なんてなじみがないだろうなあと思っていたら、あにはからんや、第4場のラスト「雷鳴の動機」に始まり「ヴァルハル城の動機」へと移る<ヴァルハル城への神々の入場>は聴いたことがあるではないか、それもすっごくユーメーなフレーズ! ウゲゲと再びワーグナー的な壮大な感動に包まれてしまう。
ジークムントとジークリンデの近親相姦による禁じられた愛の行方は、そして権力と富の象徴の指輪の行方はどうなるのか。うーん、壮大なドラマが込められているのだなあと思うと同時に、マジメにこんなものに取り組んでいたらいくいら時間があっても足りやしない。もう一度ラインの川底にでもCDを沈めてしまうかあ、と思うのであった。ということで、『「指輪」を聴く』という企画はスタートしないのであった。「ホー・ホ・ホ・ホ・ホ・ホ・・・」
とは言いながらも、オペラ対訳ライブラリー(音楽之友社)をしっかりネットショッピングで注文してしまったよ。

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