2004年3月17日水曜日

スペインのテロについて


先日のスペイン総選挙で、イラク戦争を一貫して支持してきたアスナール政権の与党で中道右派の国民党(PP)が敗れ、野党で中道左派の社会労働党政権(PSOE)が誕生しました。投票率は前回選挙を8ポイント上回る77%に達したとのことで、16日付の大手新聞は今回の政権誕生が投票日の3日前に起きた200人もの死者を出したマドリードでのテロの影響であろうと書いています。




スペイン警察は、今回のテロは昨年5月16日にモロッコのカサブランカで起きたテロ(43人が死亡)と同一のイスラム過激派グループであるとの結論に達したそうです。逮捕されたモロッコ人の一人はアルカイダ関連組織の重要人物ですが、アルカイダの犯行声明に関して当局は慎重な姿勢を崩していません。いずれにしても、イラク戦争でのスペインの対米追随姿勢を非難してのテロであるようです。


今回の事件は、対米追従ということが世界からは強烈なテロ行為であるということの査証となるような事件のように思えます。私は今でもアメリカのイラク戦争(攻撃、侵略、政権転覆、イラク解放、いろいろ言い方はあると思いますが)の妥当性について疑問をもっており、国際貢献、人道支援という名のもとで、単純な対米追従政策をとっている亡国政府のあり方にも疑問を感じています。


フセインは確かに悪辣な政治家であったのかもしれませんが、アメリカ軍がイラクに侵攻したことで、イラク情勢はスンニ派とシーア派、それにクルド人も加わって微妙な力関係が崩れつつあるようにも思えます。クルド人が動くとなるとトルコも安穏とはしておれませんし、アメリカ軍の出方次第ではイスラエルにも影響が出てくるかもしれません。


微妙なパワーバランスで維持されていた国際社会に綻びが生じていることは、911テロを起点にすべてが始まったわけではないものの、世界はひとつの転機に差し掛かっているようで、ポスト・アメリカ一国主義という視点も必要になってきたのではないでしょうか。


ちなみに、選挙で勝利したサパテロ書記長は、イラクに駐留する1300人にも上るスペイン軍を撤退させることをラジオ局とのインタビューで語ったそうです。