2004年5月31日月曜日

奏楽堂の日曜コンサート3

今日の日本列島は各地で軒並み真夏日となったそうです。外を歩いていると熱気が体中にまとわり付く感じで、まさに夏そのもの、札幌に居たら「すわ、海へ!」と思うほどの暑さでありました。

こういう日は部屋の中で暗くDVDなぞ聴いている場合でもなく、散歩がてらに上野公園へ出かけてきました。目的はおなじみの奏楽堂の日曜コンサートです。本日は第5日曜ですから室内楽の日でして、木管五重奏と金管五重奏を楽しむことができました。

最初は木管重奏団による演奏で、曲目は「魔笛」、美しきロスマリン(クライスラー)、ピンク・パンサー、3つの小品(イベール)というように、硬軟織り交ぜた内容でした。演奏はと言えば、アンサンブルを結成してまだ1年目ということもあってでしょうか、生意気な感想を書かせていただければ、これからの活躍を期待したいというところ。特に最初の「魔笛」は、モーツアルトって簡単なようでやっぱり難しいんだなと思わせてくれました。音が溶け合わずに聴いていて少し辛い感じ。

曲間にはホルンの笠間芙美さんによる曲目解説。笠間さんの明るいキャラクターの語りは楽しいものでしたが、少しくだけ過ぎてやしないかと年寄りじみた野暮な思いもよぎったのです。いやしかし、300円の日曜コンサートだもの、眉間に皺寄せて批評家ぶるのも可笑しなものだよなと思い直して聴く事にしました。

クライスラー(編曲もの)やイベールはフルートが中心の曲ですが、こちらは、まとまっていたかなと。梶川真歩さんのフルートの音色は少し線が細いようでしたが、クライスラーの曲では美しい旋律を聴かせてくれました。オーボエはもう少し音色を研究していただきたいところ、良いところと悪いところの差が大きすぎるかな。いやいや、生意気なことを書くつもりはないんですがね。シロウトというのは全く何も分かっていないだけに、ウルサイものなのですよ。

休憩を挟んでの金管五重奏は、木管とは打って変わって開放的な曲ばかり。I・マクドナルドのシー・スケッチに始まり、L・アンダーソンの名曲 トランペット吹きの休日、サティのジュ・トゥ・ヴ、ドビュッシーの亜麻色の乙女、ムーンライト・セレナーデ、「天国と地獄」という具合。金五の方が迫力で押せるせいか、アンサンブルとしてのまとまりはあったように思えました。ただ、どうしてもブラス的な雰囲気になってしまうので、ちょっと私には苦手ではあります。それでも、サティの演奏は全体を通して今日の一番ではなかったでしょうか。

あと、アンサンブルにおける「発音」の大切さというのもよく分かりました。あるパートが「甘く」なってしまうと全体が崩れてしまうんですね。批評家ぶるつもりは毛頭ありませんので、単なる感想なのですが、今までに聴いた2回(これこれ)のレベルが高かっただけにですね、ぶつぶつ書いただけです。

そうそう、笠間さんがしきりに宣伝していましたが、今年9月の芸大祭では3年生による「魔笛」全曲を演奏するのだそうです。これはかなり楽しみですね。木管五重奏団は「ごもくごはん」というグループ名だそうで、もしかすると芸大祭で演奏できるかもしれないとか、頑張ってくださいね、期待してまっせ!

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