2004年7月3日土曜日

TV:おもひでぽろぽろ


金曜日の夜、久々に早く帰宅でき何気なく付けたTVでスタジオジブリの「おもひでぽろぽろ」が放映されていました。


そうだよな、7月だもの夏休みも近いから、「となりのトトロ」や「火垂るの墓」の季節なんだなあと思いながら、本を読みながら観るとはなしにみていたのですが、時間が経つにつれ、ぐんぐん引き込まれてしまい、最後の都はるみの主題歌が流れるエンディングに至っては、もう胸がいっぱい、ぽろぽろ状態になってしまいました。




私はアニメファンではないので、「もののけ姫」も「紅の豚」も「千と千尋の神隠し」も観てはいませが、本作はスタジオジブリの中でも比較的地味な作品に入るのではないでしょうか(「となりの山田くん」には負けますが)。宮崎氏の話題の作品群は、世界も驚くようなファンタジーを描いているようですが、高畑勲の監督・脚本の本作は、まことに普通でありながらも別な意味で素晴らしいファンタジーであるのだと思います。


スタジオジブリの作品だけあって細部の描写も驚くほどです。登場人物が生き生きとしているのは勿論なのですが、背景で行き来する「通行人たち」や風景描写、看板の一つに至るまで、どの一コマにも思い入れと精魂が込められており、どのシーンもが全てノスタルジーをかきたてるように出来ている様には、改めて驚かされます。


そういう細部が、ストーリーの土台をしっかり支え、観るものにリアリティ豊かな世界を見せてくれます。テーマが臭いとか、説教じみているとか、偽善じみているとか、まあ悪く言う人もいると思いますが、こういう作品は素直に感動して観ればよいのではないでしょうかね。主人公のタエ子は27歳のOLという設定なのですが、この作品を観ていて、自分も齢をくってしまったなあと思ってしまいました。


先にも書きましたがエンディングは「ああ、これはもうダメだア」と分かっていても感動してしまいます。都はるみの歌がこんなに心にしみるなど、恥ずかしくなるほどです。だって、あなた都はるみですよ、アンコ椿ですよ、私はクラシックファンなんですよ(笑)。


蛇足ですが、本作を実写版でやったとしてトシオ役は柳葉敏郎なんかが合うなあと思っていたら、声優役だったのですね、ちょっとびっくりしました。それとこの作品はまさにバブルが崩壊しつつある1991年度の製作ですか、あの時代にウケたのか疑問が残りますが、高畑氏の真正面の直球のように見えながらも、実はクセ球という側面が見えるようです。