2004年7月21日水曜日

「月間!木村剛」を斬る

先日「月間!木村剛」を紹介しました。発行元の(株)インフォバーンから、創刊号が送付されてきましたので読んでみたのですが、はっきり書くと、がっかりですね。というか、これでは売れないのではと思いました。


まず、内容がブログ版の「週間!木村剛」そのままであることが気になります。目新しい記事はほとんどなく、これならば今時1000円を払って買うことは(少なくともブログを読んでいる人なら)ないでしょう。


ブログ記事がそのまま活字になっていますので、ウェブで読んだ時との微妙な温度差も違和感のひとつです。木村氏も指摘しているように、ブログはヴィヴィッドでありライブなものであるだけに、それをそのまま活字にしてしまうと、生きの落ちた刺身のような感じがするのです。




しっくり来ないのは縦書編成ということもあることでしょうか。顔文字などは活字になじみませんが、縦書きの顔文字がヲタクな雰囲気をかもし出していて更にマイナスです。


雑誌のサイズはB5版150頁弱なのですが1000円にしては内容が貧弱です。オピニオン雑誌である「文芸春秋」「世界」「正論」などと比べてることが間違いなのだとは思いますが、これらは600円~700円だったはずです。青土社の「現代思想」は1200円ですが活字密度で言えば3倍以上なのではないでしょうか(感覚比)。


ヲタク雑誌というくくりであるなら、例えば石原俊氏主筆の「クラシック ジャーナル」(アルファベータ)1200円がありますが、こちらもB5サイズですが、内容の充実度、活字密度では「月間!木村剛」を遥かに凌駕しています。


また、ブログを読んでいると気付きませんでしたが、木村氏の主張は繰り返しが多く、同じことを延々と主張しているような印象を受けます。不特定のブログ読者を相手にしていたせいでしょうかね。これもライブとの温度差のひとつでしょうか。


こうして考えると、そもそも一体誰をターゲットにした雑誌であるのか、全く理解できません。ウェブを読まない木村剛氏の読者を取り込むならば、もっと別の書き方があるはずです。木村氏を知るウェブ読者を取り込む場合であっても、別の宣伝方法があるはずで、わざわざ雑誌にするからには付加価値が必要です。全体に構成が雑で、何かウチワで盛り上がっている印象を否定できません。これでは早晩廃刊になるものと思いますがいかがでしょう。


そういうわけで、巻頭言にある


そしてこれは、ブログという新形態の情報発信と雑誌メディアをコラボレートさせる新しいトライアルである。


というコンセプトを、全く感じ取ることができませんでした。木村氏の今までのメディアに対する不満、ブログというメディアにかける期待は分かっているつもりですが、「週間!木村剛」の熱心な読者でない私には、何かちょっとズレていると思うのでした。古いエントリーですが、TBもしておきましょう。えい!

つづく

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