2004年9月5日日曜日

映画:Lovers

今日の東京は午後は、いつ雨が降り出すかというくらいに不安定な天気でしたが、夕方頃からついに大雨になりました。日中は珍しく渋谷に居たのですが、帰ってニュースを見たら、つい数時間前に歩いたところが冠水しており驚いてしまいました。

そんな中、チャン・イーモウ監督の話題の映画「Lovers」を観てきました。昨年の「HERO」は観逃してしまいましたので、今回は是非とも映画館でと思っていた作品です。期待に違わずに非常に楽しむことができました。






















Loversの文字の裏に「謀」の字が重なるタイトルや、『3つの「愛」が仕掛けてくる』というコピーから、中国的な謀略の世界が渦巻いているのだろうとは予想はしたのですが、ストーリーは案外単純だったりします。


でも、細かいことはどうでも良いほどに、映像が美しい、主演のチャン・ツィイーの演技とアクションが素晴らしい、この二点だけでこの映画を観る価値があったというものです。特に遊郭「牡丹坊」のシーンは圧巻と言っていいですね。踊りといい、音楽といい、そして衣装、カメラワークとも申し分がないほどの出来栄、映画はかくも進歩しているのかと舌を巻くほどです。


チャン・ツィイーの踊りは、11歳の時に北京舞踏大学付属中学に入っていたというだけあり、新体操もどきの華麗な舞は見事というほかありません。ワダエミの衣装も凝っていて、桃源郷とも言えるような空間美と謀略の開始を告げる緊張感を余すことなく伝えています。


チャン・ツィイーというのは不思議な魅力を持った女優です。日本的な風貌でもありながら、哀しみや疑いなどを宿す眼の表情は何とも言えません。遊郭での踊り子役でも、囚人役でも、そして男装した官吏風衣装であっても、秘めた熱情と無限のしなやかさを感じさせてくれます。


そして、特殊効果。物理法則を全く無視した豆や石つぶて、短刀や朝廷の追手の動きには思わず笑いが出てしまいますが、アクションはこうでなくてはいけません。




ウクライナでロケをしたという、最後の壮絶なる決闘シーンも、時間軸がずれているように感じるのですが、こううい大仰な演出を恥ずかしげもなくやるところに、潔くも正しい美学さえも感じてしまい、拍手を送りたいと思います。