2005年5月16日月曜日

歌舞伎座:五月大歌舞伎 夜の部

5月の歌舞伎座も中村勘三郎襲名披露公演でいよいよ賑わっています。前売り券はそれこそあっと言う間に売り切れ、幕見席であっても2時間前に歌舞伎座に着くようでは立見必死なのを知り、本日は何と12時半から列に並んで夜の部を観てきました。

この時間ですと、まだ昼の部の幕見のお客さんが並んでいます。夜の部は16時10分から発売ですから、我ながら頭がオカシイのではないかとは思ったのものの、東京に居ますと2時間くらい並ぶのは平気になりましたので、ハナシの種に3時間半くらい並んでみようかと・・・。それでも歌舞伎座に着いたときには、既に5~60人もの列になっておりました。係の方によると「早い人で朝の8時半から」並んでいたそうです、やれやれ。


それもこれも、夜の演目が菊五郎による「義経千本桜 川連法眼館の場」、玉三郎による「鷺娘」、そして「野田版研辰の討たれ」なものですから、これを見逃してなるものかという気になったからであります。(昼の「菅原伝授手習鑑」と「芝居前」も観たかったが・・・もう気力なし)



さて、前置きが長くなりましたが、前評判が高いだけあり「野田版研辰の討たれ」が他を圧倒していたという印象です。野田秀樹の演出ですから、歌舞伎を見慣れた目には非常にスピーディでダイナミックです。特に幕が引かれてから赤穂浪士の討ち入りから道場の場面にかけての演出は(歌舞伎以外では目新しい物ではないものの)うまいなあと、のっけから感心。テーマの取り方も、大衆の軽薄さや無責任さをあぶり出し、更に「仇討ち」の意義に斬り込んだ点、現代的な視点を見せています。


随所にギャグがちりばめられており(例えば芝のぶのギター侍ネタとか)、言葉遊びの天才野田と吉本好きの勘三郎ならではといったところ。何の予備知識がなくても楽しめるという点から歌舞伎初心者(>私もそうですが)にもウケたわけが分ります。


もっとも「野田版研辰の討たれ」は、歌舞伎というものを考えさせてくれる演目でしたので、ヒマを見つけてまた書くこととします。

義経千本桜 川連法眼館の場」は、狐の恩返しみたいな演目であります。渡辺保さんが芸の完成度ということでいえば、今月一番の出来である。第一に菊五郎の忠信が、菊五郎型の古格を守って、手本となるべき舞台だからである。というだけあり見ごたえ十分。すでに六十を過ぎてあの演技というのには驚きます。「桓武天皇の御宇~」などの狐言葉が濁ってイマひとつだったのは、ご愛嬌でしょうか。


玉三郎の「鷺娘」はメトロポリタン歌劇場で絶賛されたというもので、それはそれは見事な舞踊。照明効果と衣装の引き抜きが見事にマッチして、幻想的なまでの美の世界を表現していました。4月の勘三郎による「娘道成寺」と並んで、娘心をこめた踊りですが、醸し出す雰囲気は全く別物で、「玉三郎版鷺娘」といった趣でしょうか。確かに一見の価値ありですが、幕見席では遠すぎて十分に鑑賞でききれないのが残念ではありました。

蛇足ですが、16時近くそろそろ昼の公演がひけると思った時、突如突風とともに凄まじい雷雨となました。(こんな凄まじい雨、久しぶりに見た!)あまりの突然さに列の皆々騒然、歌舞伎座の前の甘栗売りのテントなど吹き飛びそうですし、幕見席列上のビニールのテントにはホースでぶちまけているとしか思えないような雨がザバザバと落ちてきて、それはそれは爽快を通り越し恐怖さえ感じるような雨でありました。雹まで降ったんですな。


日本列島は15日、気圧の谷が上空を通過した影響などで、東北から関東甲信、北陸の広範囲で大気が不安定になり、東京・大手町では午後3時50分ごろから同4時ごろまで雷を伴った激しい雨が降り、ひょうも観測された。

 気象庁によると、都心でひょうが観測されたのは、2000年7月以来。雨は10分間雨量で8ミリだったが、同庁は「短い間に一気に降ったようだ」と説明している。