2005年11月2日水曜日

サヴァール/ラ・フォリア~コレッリ、マレの作品ほか






LA FORIA(1490-1701)



  1. 作者不詳:フォリア(聖母マリアの頌歌集のビリャンシーコ「ロドリーゴ・マルティネス」による即興曲)
  2. オルティス:「ラ・フォリア」に基づくレセルカーダ第4集
  3. カベソン:フォリア(ベネガス・デ・エネストローサのロマンセ「誰のために長くした髪」に基づく)
  4. オルティス:「ラ・フォリア」に基づくレセルカーダ第8集
  5. フアン・デル・エンシーナ:フォリア(自身のビリャンシーコ「さあ、食べ飲もう」による即興曲)
  6. マルティン・イ・コル:「ラ・フォリア」に基づくディフェンレンシアス
  7. コレッリ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ単調「ラ・フォリア」Op.5-12
  8. マレ:「ラ・フォリア」のクープレ


  • ジョルディ・サヴァール(指揮)、エスペリオンXX
  • ALIA VOX AVSA 9805


「フォリア」とは"狂気じみた"とか"頭がからっぽの"といった意味を持つ大衆発祥の舞曲。ジョルディ・サヴァールのガンバと指揮でいくつもの「フォリア」を聴かせてくれます。



��曲目のフォリアは、鈴の音から始まるのですが、HMVの店頭の紹介にあるように、これが三拍子の三拍目の裏というところに全く意表をつかれます。あれほど静かに始まった曲というのに、気付いたらいつの間にやらスペインのリズムと熱狂に放り投げられてしまうという、何ともゴキゲンな曲。熱狂の中にも一抹の哀愁が漂うところも絶品。あまりの素晴らしさに何度も続けて聴いてしまいました。ある意味で衝撃的な曲で、5分程度のこの曲を聴くだけでも価値があるかなと。


��曲目のスペインの風にあてられた後はオルティス(Dego Ortiz 1510-1570)の小品。深い音色でありながらも激しい。それがカベソン(Antonio De Cabezon 1510-1566)の作品になると、更にオルガンが加わって荘厳ささえ加わってくる。最初の5曲は短いもので1分半、長いものでも5分程度の短い曲。次から次へと奏されるいくつもの「フォリア」はラテン的な熱狂をまといながら、颯爽と駆け抜ける一陣の熱風のようです。


後半は、マルティン・イ・コル(Antonio Martin Y Coll ?-1734)、コレッリ(Corelli 1653-1713)、マレ(Marin Marais 1656-1728)による「ラ・フォリア」に基づくディフェレンシアス(変奏曲)です、前半とは異なり10分以上の曲。


「ラ・フォリア」はマレやコレッリのものは有名ですが、イ・コルのそれはカスタネトが加わることで独特の雰囲気を出しています。どうしてカスタネットが加わるだけで、こんなにも色彩に深みが増すのでしょう。単純で乾いた音はガンバの響きと絡み合うように、時に静かに時に激しく打ち鳴らされます。


コレッリの「ラ・フォリア」ではサヴァールはソプラノ・ヴィオラ・ダ・ガンバを使って軽快でありながらも荘厳に、次々と変奏を聴かせてくれます。単純な音形の繰り返しながらも、変化は多彩でなかなか飽きません。一番最初の「フォリア」だけで充分などと書いた事を訂正しなくてはならないと思える程。


最後はマレの「ラ・フォリア」、これは長い・・・18分もある。ここまで聴いてくると、いい加減飽きてくるし、サヴァールが弾きながら唸っているみたいで(他の曲もそうだが)ちょっと気になります。が、しかし演奏は最後を飾るにふさわしいか。