2007年1月16日火曜日

[読書メモ]高村薫:晴子情歌(上)

小説から漂ってくる時代の雰囲気や空気というもの。晴子の手紙や富子の写真を通して見えるもの。時代の動きや政治と思想、若者たちの言動。晴子の手紙から一歩離れたところに存在する「世界」


市政の庶民でしかない主人公の、歴史の動きの中では何と言うことはない人生と、実は彼女たちのフレームを規定している政治的なもの。パラレルな世界で交わらない。高村が次作として「新リア王」を書くことになる動機、あるいは前奏曲。


「純文学」と「エンタテイメント」。エンタテの要素を剥ぎ取ることにより漂うものの、古典文学の持ちえた壮大な物語の復原。?