2007年2月18日日曜日

青柳恵介:風の男 白洲次郎



グローバル化とか国際化という言葉が日常的な昨今において、白洲次郎が改めて読まれ再評価されているということ。TVなどで紹介されることもあり、初めて白洲の素顔を知る若者達は素直に彼の生き様を「カッコイイ」と評するかもしれません。


組織に縛られず、戦後の占領下にありながらも日本人としての自らの主張を崩さなかった姿勢、飄々と生きながらも戦後政治の中に確たる足跡を残した存在感、多くの企業の会長や役員を勤め、80歳になってもポルシェを乗り回す姿・・・。確かにこんな日本人が今の世の中にいるかと。





本書は白洲正子氏が親しくしていた青柳恵介氏に「白洲語録」をまとめて欲しいとしてまとめられたもの。従って、白洲次郎の足跡を忠実に辿るというよりは、白洲次郎に親しい人たちが白洲を偲ぶというような書になっているようです。それ故に、彼に対する深い敬意とともに、ともすると伝説化あるいは神聖視の一歩手前の気配が漂います。それらを差し引いて読むならば、彼の颯爽とした素顔に触れられる思いがします。書題に「風の男」とあるように、読後に一陣の風の吹かれたような清々しさが残り共感と感動を覚えます。でもやっぱり、ちょっと「ズルイな」というヤッカミを感じることも否定できませんが。


彼のスタイル、あるいは「Noblesse Oblige」という精神は、欧米のそれであり英国留学によって養われたものででしょうが、彼にはそれを自然に行える下地がもともと備わっていたのでしょう。日本人であることの矜持を忘れないながらも日本人の枠には留まらなかったこと。日本という狭い枠だけで日本を捉えるのではなく、世界的視座において日本を位置づけ国益を主張すること、こういう姿こそ国際人であるのかと。


彼を知ることで、改めて日本人であることとか国際化ということを思い直さざるを得ません。