2008年1月28日月曜日

木村剛:投資戦略の発想法




まったく、らしくもない(というよりブログ主旨にふさわしくないような気もする)のですが、これも読んでいたので取りあえず個人的メモということで。


木村氏については賛否両論ありましょうが、本書は非常にマジメな投資の本です。今まで紹介してきた本と、基本的なスタンスは同じです。投資はギャンブルではない、チャート分析やファンダメンタルズ分析などに必要以上に時間をかけるなと。





まず最初から辛辣です。自分の資産と負債を根拠とともに書き出せないようなら、そもそも投資をする資格はない。リストラや倒産などの最悪の事を考えて2年分の生活資金(安全な流動資産)をまず貯めろ、それさえ出来ないなら、投資なんてする資格がない。住宅を借金して買っている(=負債)くせに投資するのも愚の骨頂、先に借金を返せ。最大の投資は節約だ、などなど・・・。こういう実も蓋もない話題が最初は続くのですが、非常に最もなことです。要は金利、利回りを含め、お金に敏感になる必要があるということです。もちろん時間にも。


以上をクリアした上で、資産を国内株式と国債、外貨預金の三分割ポートフォリオで組めと説きます。株はインデックスファンドなどの投資信託よりは、20銘柄程度を自分で選ぶのが良いと。ここら当たりは、内藤忍氏の考え方と若干異なりますが、それはあくまでもテクニカルな問題でしかありません。


投資本を読むと「サルのポートフォリオ」がよく引き合いに出されますが、選ぶのが難しければ、再就職するとしたときに自分が入りたい会社の株を買え、その会社に再就職するリスクよりはその会社の株を買うリスクはずっと小さい、というの指摘にはハッとします。逆に考えれば、ストックオプションなど持てなくても、自分を高め、自分の会社の企業価値を高めることが最も重要な投資であると自ずと気付くというわけです。


住宅を資産と考えず、負債と考えるのは、ロバート・キヨサトなどとも同様。ここも異論は多かろうと思います。


資産を蓄える方向の議論が多く、キャッシュフローに関する記述が少ないのは内藤氏や勝間氏にも共通していましょうか。あと木村氏の本は投資哲学は学べますが実践となるとちょっと弱いところもあります。


いずれにしても、自分の資産は自分で守るということは、これからの時代、いくら強調してもしすぎることはないと思わせるに充分な本であります。それにしても、勝間、内藤、木村氏とも「おいしい話が転がっているわけがない」「ローリスクハイリターンなものなどない」ということをしきりに強調しますが、世の中騙されている人があまりにも多いのだなと・・・。


本書も、2008年版とかがあって、マイナーチェンジで効率的に印税をかせいでいるようですが、そういうことは考えないようにしましょう。