2008年1月27日日曜日

内藤忍:資産設計塾、実践編







投資に目覚めたわけでもありませんし、そのテの話題を本サイトで続けるつもりもありません。



しかし、昨今の世の中の変化のスピードは極めて早い。昨年のサブプライムローン問題に端を発した、米国の景気のリセッションの懸念、楽観的過ぎたデカップリング論、BRICs諸国の猛烈な発展、さらにはアフリカも目覚め始めた。パキスタンだってテロと内政不安が続いているが、実は人口も多く発展のポテンシャルは高い。相対的に日本の国際的な地位は著しく低下してきている。かくもグローバル化した社会は猛烈なスピードで動いています。


日本は年金制度は完全に崩壊し、借金(国債)は増えるばかり。それなのに、どの政党も明確な財政圧縮手段さえ示すことができない。国民には何が真の情報なのかさえ分からず、聞こえてくるのは負担増のみ。個人にとって最大の負債である住宅の価値は35~40年程度しかなく、とてもではないが資産になどならない。それに輪をかけての留まるところを知らない偽装連鎖・・・。世界的に見ても非常に豊かな国であるはずなのに、どこか閉塞感がある。


戦後日本が作り上げたシステムは完全に制度疲労しており、大きな変革か衰退しかないのではないかと思いはじめました。そして、もはや、自分の資産は自分で守る時代に、とっくに突入していたのだと感じているこの頃です。


そういう意味から、自分の資産を見直すためにボチボチ本を読んでいます。


巷間に多くの投資本が溢れる中で、本書は堅実な長期的投資を指南する良書です。投資の考え方や基本的な商品について丁寧に解説しています。チャートによる商品の売り買いのタイミングという話しは殆どなく、人生と資産のアロケーションの重要性が強調されています。


氏の投資哲学は投資が目的ではなく、人生の目標を実現させるための手段であると捉えていること。従って単なる「金儲け」ではなく、自分の目標に合った資産設計を行い、必要以上のリスクと(投資関連に費やす)時間を取り過ぎないことを強調しています。あくまでも最終目標は、自分のやりたいことを実現させるためにお金を増やすのだということ。投資は趣味や楽しみではないのだと。


「実践編」は、前作と被る部分がかなり多く、表の数値も殆ど同じでオリジナリティが少ない。前作が良書であっただけに、非常に残念です。これも投資の基本である「レバレッジ・著作術」とでも評すれば良いのでしょうか。


2007年発行ですが、昨今のめまぐるしく変る経済情勢を考えるとちょっと記述が古く感じる点もあります。どちらか1冊あれば充分だと思います。