2009年8月28日金曜日

鴻池朋子展~インタートラベラー 神話と遊ぶ人

東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている『鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人』を観て来ました。


今回の展覧会は、鴻池さんの作品を「地球の中心への旅」をテーマに再編成したもの。展示場そのものが、作品を「体験」するような構成になっており、全体が大きなインスタレーション空間であると言えるかも知れません。詳細な説明は、公式HP(→http://www.operacity.jp/ag/exh108/index.html)かtakさんの『弐代目・青い日記帳』をどうぞ(→http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1825)

鴻池さんの作品は、グループ展や絵本、挿絵などで観た事がある程度でして、こうしてまとめて鑑賞させていただくのは初めて。イマジネーションの抱負さには感心します。繰り返し用いられるモチーフの持つ意味とか、ついつい深読みしたくなりそうですが、どうやら鴻池さんの作品に、あまり「深刻」を求めるのは野暮のようです。どうして子供の上半身がないのとか、どうして下半身が人間なのとか。「見えない子供の上半身を見つけようとしてもムダ、それはもともとないのだから」という鴻池さんの挑発。イメージを爆発させるためには、美術館なんか徘徊していちゃダメだと。

何と言ってもテーマが「神話と遊ぶ」なのですから。最初の襖を入り、だんだんと「地球」の奥に入っていくという「体験」は、なかなかスリリングです。彼女の絵本の原画などを観てわき道にそれつつも、だんだんと地底深くに入っていくという、謎めいた体験。次に何がくるのか分からないので、例えは悪いですが「お化け屋敷」のようなワクワク感があるといったら良いでしょうか。

地球の中心の部屋はまさに驚きの一言。入った瞬間に「わぁ!」と声が出てしまいました。こうくるかと。眩暈のしそうな空間。乗り物酔いがある人は気分悪くなるかも、です。私はその芳醇なイメージ世界に思わず見とれてしまいました。ガラスと光の空間は、彼女の他の展覧会写真を見ると、これもよく使うモチーフ。でも使い方一つでこうなるかと。

「地球」というもののなかに、彼女の好きなものをギュっと詰め込んだ展覧会。彼女のエネルギーの一端に、あるいは自らの創造力のパワーに脱帽。彼女は、「ほら、こっちきて遊びなよ」と誘うけど、実は彼女の内実は、創造のステージにおいてはギリギリまで自分を追い詰めているようで、作品の厳しさを見せ方で覆い隠しているような雰囲気は感じましたね。ただ延々と普通に彼女の作品が壁に並んでいると、ちょっとつらいかも、です。