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2004年3月15日月曜日

展覧会:モネ、ルノワールと印象派展

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「モネ、ルノワール印象派展」を観てきました。モネが14点、ルノワールが33点、その他印象派のシスレー、ピサロ、スーラー、シャニックをはじめ、エドモン・クロス、ロートレック、ボナール、ヴァイヤールまでを含めた展覧会です。モネとルノワールをこれほど大量に観る事ができたのは初めてで、非常に満足しました。

チケットにある絵はルノワールの《青い服の子供》(1889年)です。これは往年の大女優グレタ・ガルボが愛憎していた作品とのことで、いかにもルノワールらしさにあふれた名品でした。私はルノワールの豊満な女性をモデルにした作風やテーマはあまりル好きではないのですが、それでも彼の愛情にあふれた数々の優しい絵は独特の色彩を放っておりました。


左の作品は《肌着を直す若い娘》(部分)(1905年)ですが、何ともいえぬ肌の輝きが至福の絵画となっています。ちょっと見方を変えると、ティーン向けのグラビア雑誌に載りそうなポーズだなとも思いましたが(失敬)

モネは、「パリ・マルモッタン美術館展」の感想でも書いたとおり私の好きな画家の一人です。この展覧会でも、モネの作品を堪能するおとができました。彼の作品は自然の風景を描いたものがほとんどですが、本当にキャンバスが光を放っているのです、まったく驚くばかりです。展覧会の後、絵葉書や画集を手にとって、彼の絵の光の十分の一も印刷技術では再現できていないのだな、と改めて思いました。

この展覧会で気の利いているのは、例えばルノワールとモネが同じ題材を描いた作品(キャンバスを並べて描いていたのだとか)ですとか、ピサロやシスレーの同じモチーフを描いた連作を並べたりとか、印象派の特徴をそれぞれの画風の中で比較して展示しているところです。


上の絵は左がルノワール、右がモネの作品でアルジャントゥイユの鉄橋を描いたものです(1873年)。ルノワールの風景はそんなに多いわけでありませんが、両者の画風の違いが如実に出ており興味深い作品でした。

モネの作品はおなじみの睡蓮も3点ほど展示されておりましたが、初期の頃の作品から晩年の作品まで、またヴィエネチアでの作品なども含まれており、モネの変遷を知る上では格好の展示でした。「パリ・マルモッタン美術館展」のような最晩年の抽象的な絵はありませんでしたので、モネのファンであれば、二つの展覧会に足を運ぶ必要があるかもしれません。

シスレーやピサロの絵もよかったのですが、印象派の絵画を観ていて、展覧会に訪れる人は皆口々に楽しげに絵を見て語っています。ある意味で、絵画がもっとも幸福な時代であった頃の作品であるのかと思ったのでした。今更西洋名画をありがたがって鑑賞するというのも、現代においていかがかと思う方もいるかもしれませんが、至福の絵画たちに接することは決してムダではないと思います。

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