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2006年2月11日土曜日

伊福部昭:NAXOS日本音楽家選輯


伊福部昭:シンフォニア・タプカーラほか
  1. シンフォニア・タプカーラ(1954、1979改訂)
  2. ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ(1961)
  3. SF交響ファンタジー 1番(1983)
  • ドミトリ・ヤブロンスキー(指揮) エカテリーナ・サランツェヴァ(p) ロシアpo.
  • 2004.5
  • NAXOS 8.557587J

��日夜、伊福部昭氏が亡くなりました、91歳というご高齢であったことをニュースや「鎌倉スイス日記」などで知った次第です。伊福部氏といえば「ゴジラ」ですが、それ以外の音楽も改めて聴いてみようと思いNAXOSの「日本作曲家選輯」を購入、例によって片山杜秀氏の恐ろしく充実した解説付です。HMVでなんと790円でしたからお買得といえましょう。

シンフォニア・タプカーラのタプカーラとはアイヌの舞踏の一形式なのだそうです。ストラヴィンスキーを思わせる強烈なリズムに土俗的色彩、どこか郷愁と暗い情念が漂う独特の雰囲気。アレグロであってもアダージョ楽章であてっても、どこか血が騒ぐかのような音楽は彼が守ろうとした日本的なものを深いところで想起させるからなのでしょうか。

リトミカ・オスティナータにおいては、様々な伝統音楽で使われている5音音階を包括的に内蔵させた6音音階を用いているのだとか。ホルンに導かれて登場するピアノの旋律は、限りなくノスタルジック、音楽からは限りないイマジネーションとふくらみを感じます。ピアノのクラスター風奏法は、ストラヴィンスキーやプロコフィエフよりもラウタヴァーラなどの北方の音楽に通ずる峻厳さを感じます。

こうして伊福部氏の音楽を聴いてみると、彼を「ゴジラ」だけで記憶に留めるのは全く一面的でありそして、もったいないことだと思います。2度ほど音盤を通して聴いて改めて冥福。

NAXOS盤の演奏はyurikamome122さんも書かれているように、ちょっと不満です。伊福部臭がちょっと薄いような・・・、東京で食べるジンギスカンとかホッケの開きみたいな感じ。ちょっと聴いていて気恥ずかしくなったりする(笑)。には半面的に首肯。鎌倉スイス日記:伊福部昭・逝去の報に接してとyurikamome122さんのエントリには敬意を表してTBしておきます。


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