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2021年5月15日土曜日

今道子さんの個展があると知り、昔のことなどを思い出す

Twitterで 写真家の今道子さんが個展を開いていることを知り、思わずツイートしました。

今道子さんといえば、野菜、魚、植物、花などを素材に、グロテスクとも言えるような「静物」を再構築し、モノクロ写真に撮っている作家さんです。

 

 

ツイートでは1990年代後半と書きましたが、自分が知ったのは、それこそ今は無き「日本カメラ」「アサヒカメラ」などの全盛期、下のNHK趣味百科「近未来写真術」というNHK番組と雑誌でした。年代を見ると「JUNE 1990」とありますから、もう30年以上も前の1980年代末頃だったんですね。(雑誌はすでに手元にはありません、以下の画像はネットから拾いました。)



紹介されている写真家の名前を見ると、錚々たるメンバーです。
表紙の写真は篠山紀信、それに今道子、宮本隆司、武田花、森村泰昌、星野道夫、荒木経惟などなど。なんとも懐かしいです。

時代はバブル真っ盛り。変装写真の森村泰昌さんも、宮本隆司さんの廃墟写真も、この頃に知りました。あの頃からすでに「廃墟ブーム」というのは、あったと思います。古い建物や比較的近代の建物が、どんどん壊され始めた時代でした。建築が既に消費財として組み込まれたのも、あの頃からだったのかも知れません。

確かに写真にも力があったようにも思えます。東京都写真美術館が開館したのは1995年のことです。


さて、戻って今道子さんの作品です。とにかく、一度見たら絶対に忘れません。グロさの中に独特の妖しい美が光っています。

しかしながら、松井冬子さんもそうなんですけれど、知った時は衝撃で、個展などにも行きましたが、今改めて、この年になって、今の境遇で観たいか、と自問してみると、観たいと思う反面、少し違うかなというか気もします、というか、ちょっと辛いかなと。

これらの作品には生と死というテーマも込められていますが、そういう根源的なことにダイレクトに響いてくる作品を素直に受容できる柔軟さや若さが失われてきたということなんでしょうか。



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