2002年8月6日火曜日

個人データとプライバシー

住基ネットとデータベースということについて、考えがバラけてきたのでページを改めた。

住基ネットには本人確認情報(氏名、生年月日、性別、住所、新たに全国民にふられる11桁の住民票コード及びそれらの変更情報)しか載せないと政府は説明してる。しかし、リレーショナルデータベースを構築してしまえば、ひとつのコードに情報を付与するのは容易なことであろうし、様々なコードを関係づけることも難しくはないだろう。システム的には、各行政機関や施設が固有の情報とコードを持ち、それをキーとなる個人コードと結びつけるという管理も可能だろう。

このようにさまざまな個人情報が電子的に結び付くことで利用しやすくなることは、IT技術を前提にすると当然の帰結かもしれない。為政者=管理者であれば多くの情報を芋蔓式に引き出せるシステムへの誘惑は避けがたいものがあると思う。「限定された事務処理」ではなく「広範なさまざまな処理」に使うことを、期待していると想像することはごく自然だろう。

しかし、全てに効率を求めることが前提という発想には陥穽もあるように思える。特に「国家が国民を管理する」ということについて、よく考えなくてはならないと思うのだ。我々国民は、個人の履歴情報=プライバシーをどこかに保管し外在化させた存在であることは望んでいない。

我々は個人情報を行政にサービスしていただいている、情報のユーザーでもないのだ。なぜなら個人情報は全て本人に帰するものだ。住基ネット=個人情報が必要なのは行政である。行政サービスを効率的に行うために個人情報が必要なのだ。前回も書いたが、行政がそんなに広範囲に、個人を特定する作業を行わなくてはならない、ということが理解できていないのだが・・・いったい、どういう情報が行政で流れているのかと、いらぬ不安を抱かぬわけでもない。

逆にいうと、個人情報を個人がどこまで管理できているのかということも問題になってくる。ある人には住所さえ重要なプライバシーだろう。一方で知りたくてもアクセス不能な個人情報というものも存在する。つまりは、プライバシーとは何かという問題にも行きつくので根が深い。

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