瀬尾和紀のフルートを聴いていみた。このごろフルートばかり聴いているが、親切にも友人が貸してくれたもの。
瀬尾さんは、ランパル国際コンクール、カール・ニールセン国際コンクールなどのコンクールにも上位入賞、今年の第5回神戸国際フルートコンクールでも入賞を果たしている気鋭である。74年生まれ、17歳で渡仏しパリ国際高等音楽院に首席で入学、98年にはフルート科を優秀なる成績で卒業(プルミエ・プリ)、卒業後は大学院課程に在籍しフルートを学んでいる。
早くから日本を離れ、海外で研鑚を積んだその姿勢は彼の音楽に対する思いを象徴しているようである。そんな彼が、Naxosに次いで録音したものが「シランクス フランス近代フルート作品集」である。
彼の笛は、先に聴いた高木綾子とは違う、厳しさと鋭さを感じさせる音だ。高木綾子は神戸では本選に進めなかった、だからといって、どちらの方が上手いとか言うことは私にはできない。1曲目のシリンクスにしてもだ、高木綾子とは随分趣の違う曲に仕上がっている、それぞれがおもしろい。
シランクス~フランス近代フルート作品集~
瀬尾和紀 Kazunori SEO
ドビュッシー: シランクス
フランセ: ディヴェルティメント
プーランク: ソナタ
ドビュッシー: 牧神の午後への前奏曲
ピエルネ: ソナタ Op.36
ゴダール: ジョスランの子守唄
ワックスマン: カルメン・ファンタジー
ローラン・ワグシャル(Pf.)
ワーナーミュージック・ジャパン WPCS10970
2001年録音 ステレオ
集められた曲は私には新鮮な曲が多く聴いていて飽きない。とくにフランセのディヴェルティメントの諧謔さと洒脱さはには脱帽である。プーランクも私は非常に好きな曲だが、イマジネーション豊かで素晴らしい。ジョスランの子守唄も非常によい曲だ。
��Dでは自らが曲などにつて解説しているほか、彼のHPでは神戸国際フルートコンクールについての感想も述べている。興味のある方は覗いてみてはいかがか?もっとも、レビュを書くつもりではなかったので、私はこれらの彼の文章を読んではいない。音楽家の書く文章は嫌いではないが、聴き込む前に演奏者自らの「感性」やイメージを言葉で知る必要はないと思うからだ。
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