フォリアのテーマは色々な作曲家のイマジネーションを刺激しているようです。ラフマニノフの作品42はコルレリの「ラ・フォリア」を基にした変奏曲で1931年の作品です。静かで荘厳な雰囲気と激しく叩きつけるような変奏と緩急の振幅が大きい曲になっています。ピアノ技術を駆使した壮大な音の洪水は、もはや舞曲としての原型をとどめないほど。それでも核としては厳然とあの耳に親しんだ三拍子のテーマが流れており、かくも変形してまでも音楽家を捉えて放さないフォリアの魔力を感じる一曲か。
アシュケナージのピアノについて云々する知識も経験はないが、緩やかな部分の繊細さと美しさは目を見張る。それでいて情緒には溺れず、強打する部分は決然として潔くクリア。曲の持つ二つの性格の対比がうまく出ていると思います。
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