2002年5月1日水曜日

演奏の質と楽器について

私はアマチュアの笛吹きなので、フルートの演奏者がどのような楽器を使って演奏しているのかを考えることは大変興味深いものです。しかし、個人的にして偏狭な見解かもしれませんが、このごろ思うことがあります。それは私のような素人が、楽器の差異を云々するようなレベルに演奏者はいないのではないか、ということです。

彼らの練習量や、こなしてきた演奏の量と質を考えるに、例えどのような楽器であっても音色表現を変えることは、ごくたやすい事のはずで。その上で、楽器による特性が加味されることは、全体の音楽性の中で数パーセントしか占めないのではないだろうかと思うのです。

プロはその数パーセントにこだわるということなのでしょう。野球選手が自分のバットにこだわるのも、スケート選手が、コンマ数ミリ単位でのエッジを気にかけるのも、ゴルファーがヘッドの数グラムの重みやグリップにこだわるのも、同じ境地なのかなと。

その数パーセントの差異が、結果として劇的な効果をもたらすことも、観衆や聴衆である我々は、もちろんよく知ってはいるのですが、それが結果として道具による違いなのか、意図的なパフォーマンス能力の違いなのか、私には判断がつかなくなってきました。

よくシングルのゴルファーがバックティーからプロとラウンドすることがあります(私のことではありません)。ドライバーも同じくらいの距離が出て、ハーフを同じようなスコアで回ったときに「プロって大した事ないぢゃないか」と思うことがあるらしです。しかし、アマチュアと回るときプロの真剣味は全くないものです。素人の驕りに近いつぶやきがプロの耳に入ってしまい、彼らが本気になってからの強さは、素人の到達できる域ではないそうです。

プロとアマの間には、絶対に埋められないものが横たわっているのではないかと・・・。そういう意味から、プロの演奏のレビュをすることに後ろめたさと疑念を感じることも否めないのでした。



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