Horowitz Carnegie Hall Recital
- シューマン:花の曲集Op19、
- ピアノ・ソナタ:第3番Op14
- ラフマニノフ:前奏曲 Op32-5、
- 絵画的練習曲 Op39-5
- リスト:忘れられたワルツ第1番、泉のほとりで
- ショパン:ワルツ Op34-2、スケルツォ第1番 Op20
- ドビュッシー:人形のセレナード、シューマン:トロメライ
- モシュコウスキ:花火、絵画的練習曲 Op39-9
- Recording:カーネギーホール 1975
ホロヴィッツの1975年カーネギーホールのライブ録音をアンコールまで全て収録した2枚組のCDである。ホロヴィッツは超絶的名技巧と少しアクの強い演奏で、好みが分かれる演奏家だと思のだが、ここで聴くシューマンの2曲は限りなく美しく、シューマンがこんなにも素晴らしいものであったかと再認識させてくれた。
二枚目の小品集は、非常に多彩で次から次へと形の変わる万華鏡を見ているようだ。アンコールにはホロヴィッツお得意のモシュコウスキなども納められているが、ラストの音が鳴り響く前に聴衆の叫び声と拍手がかぶってきており、ライブの興奮が伝わってくるようだ。軽妙な曲も素晴らしいが、ラフマニノフの絵画的練習曲やショパンのようなパッショネートな曲での打鍵はやはり凄まじく、緩急や濃淡の表現と対比など、まさにピアノの技芸とホロヴィッツ節を堪能できた。