9月3日の朝日新聞朝刊に、再就職における雇用のミスマッチと、職業訓練あるいは技術を学ぶ学校において「学級崩壊」が生じていることに触れていた。
学級崩壊の原因はふたつのケースがあるらしく、ひとつは教える内容が難しすぎて分からないというもの、もうひとつは、自分のやりたい内容が十分に得られない(易しすぎて実務に使えない)というものらしい。どちらもIT関連産業における技術者養成の教室として取り上げていたが、確かにキーボードを触ったことがなく、ワープロや表計0算を覚えてたいというニーズと、表計算とデータベースソフトを使ってプログラムを組むような、今風のシステムエンジニアを目指すニーズは同じ教室では扱えまい。
さらに、それらの職業訓練をたったの数ヶ月で終え、再雇用の道が開かれているのかということにも疑義を呈していた。福祉関連の職業にしても、3ヶ月やそこらで「プロ」になれるものではなかろう。数年から数十年を実務で働いていた正社員とどうして渡り合えようか。
ここに、セーフティーネットの限界が見えてくる。4日の朝日新聞(だったかな)では、中高年技術者にアジア方面からの雇用ニーズがあることを報じていた。これから技術的に発展しようとしている国が、例えば松下の大量リストラ要因を吸収するという構図だ しかし、これも給与面で満足のいく結果が得られる人は極わずかであるらしい。
ここまで雇用情勢が悪くなると「一度入った会社に、なんとしてもしがみつこう」という意識が強くなることも否定できまい。企業とて、自己啓発だ資格取得義務だの個人の付加価値を上げるように尻を叩く。付加価値の低い社員は出世させないとまで言い切る。
またしても企業論理での人としての付加価値。企業至上主義である以上は、再就職の道は極めて狭いというのが実感である。すんなり希望職に就ける人は、おそらく会社の中でも成功するタイプの人だろう。
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