2001年9月14日金曜日

蝕まれる心

有事という異常事態が、いかに人間としての人間らしい感情を阻害してしまうものかということを、ここ数日思い知らされている。

阪神大震災のときもそうだった。仕事の関係で震災後、神戸入りし二日ほど現地調査を行った。壊滅的な都市状況がそこに展開されているにも関わらず、隣町の大阪は何も変らない日常がそこにあったことに不思議な違和感を感じた。たった電車で数十分の距離(分断されていたのでバスや徒歩が混じるが)に厳然とした不連続線が存在していた。

今回も同じような断層を感じる。まさに戦場状態のNYの一地域、大リーグや証券取引が停止しているとは言っても、世界は日常を過ぎることを止めはしない。

しかし、私たちの心にはどこか浮かないしこりが深く沈んでしまったのではないだろうか。TVでふざけた番組が流れると、あるいは、スポーツ番組が放映されていると、違和感を感じてチャンネルを回してしまう。本当はそんなことをする必要はないのに。不謹慎というと言い過ぎだろうが、心にブレーキがかかるのを止めることができない。

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