- 指揮:ロヴロ・フォン・マタチッチ
- 演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
- 録音:1967年3月 プラハ、芸術の家
- DENON COCO-70414 CREST1000
ブルックナーを聴くのは非常に久しぶりですし、サイトを始めて4年になりますがブルックナーのCDを取り上げたことは記憶では今まで1度しかないのではないかと思います。
別にブルックナーが嫌いなわけではありません。マーラーもそうなのですが、あまりにも崇高(=マニアック)であるため下手なことを書けないという思いが立ってしまうためです。
今日はウィスキーなどチビチビやりながら、ながらでマタチッチのブル7を聴いていたのですが、思わず怖気を感じてしまったので、聴きながらレビュを書くこととしました。今は岩のように硬い第三楽章のスケルツォが終わったところです。
マタチッチ氏といえばNHK交響楽団の名誉指揮者を長く務めたことでも知られていますし、ブルックナー指揮者としても確たる地位を築いていると思うのですが、恥ずかしながら氏の演奏を聴くのはこの廉価版がはじめてです。
酔った頭で思ったことは、質実剛健なブルックナーを地で行く演奏、全く停滞と淀みがなく堅牢極まりない確たる音楽の骨格が、嫌でもかというくらいに聴き手に迫ってくるということです。テンポはどちらかというと遅めでしょうか、遅いというか着実と言う方が正しいかもしれません、アゴーギクは結構ありますし。
豪快にして気宇壮大というのでしょうか、解説では「スケールの大きな解釈」とあります。スケールの小さなブルックナーなど聴いたことはないのですが、まあそういう演奏です。ブルックナーを聴く喜びがフツフツと沸いてきます。夜中なのに思わず握りこぶしを振りあげてしまいます。
私がブルックナーを始めて(CDですが)聴いたのは、朝比奈&大フィルの7番で(ザンクト・フローリアンの名盤ではない)一聴して私はブルックナーを好きになってしまいました。当時隆盛を極めていたNIFTYのFCLAでブルックナー情報を集め、朝比奈のフローリアン盤もすぐに入手し、4番から9番まで一気に集めて聴きとおしたことも懐かしい思い出です。ブルックナーは、理由は特にないのですが滅多に聴かないものの、久しぶりに聴くと血が騒いでしまいますね。
終楽章ラスト近くのホルンから一気に進むフィナーレにはもはや文句の付けようもなし! 1967年の録音ですが音質も問題なく、値段も1000円、こんな幸せがありましょうか。
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