2006年5月7日日曜日

雑誌Lapitaの万年筆「赤と黒」を購入し、マニア世界の深さにおののく


Lapitaという雑誌が、また万年筆特集をやっている。最近は万年筆も密かにブームであるらしく、文具店では万年筆を紹介した雑誌とともに、メーカーのフェアを開催していることも珍しくない。かくいう私もイタリアはAURORA社のペンを愛用している。

「Lapitaがまた」と書いたのは、昨年11月にも同じような特集をしていたからである。Lapitaの特集には万年筆が付録として付いているところがミソである。たかだか980円の雑誌についている万年筆であるので、普通に考えると万年筆代は300円程度(パッケージ代、雑誌に付録を付ける余計な梱包代、かさばる搬送費を考えると300円以下という評価になる)。

これならば市販の使い捨て万年筆よりも安いくらい。ということで前回は見送ったのだが、今回は赤と黒のデザインに負けててしまい購入。さっそくインクを入れて書き味を試したところ、これが300円とは思えぬ出来で、かなり満足なのである。

ペン重量は26g程度。適度な重量感であり、持ったときのバランスも良い。キャップはスクリュー式であり、軸も安っぽい感じはしないし、ペン先の鍍金の具合も悪くはない。ペンフォルダー部の金属の曲げ方も丁寧でバリなどは全くない。こういう細部の造りの良さは所有欲を高めると同時にマニア心をくすぐる。(断っておくが、私は文房具マニアではない)

肝心の書き味の方だが、ペン先の太さがM(中字)ということもあってか、結構なめらかだ。1000~5000円程度で市販されているカートリッジ式万年筆と比べてもそれほど遜色がない。デザインだけから評価すると、好みもあろうがLAMYのsafariやWatermanのKulter Light Softなどよりも数段に良い。同じWatermanのCharlstonやPelikanのTraditionalなどと比べても、外見だけからは素人が値段を判断するのは困難であると思う。

かくも絶賛するのは、これが300円だからである。「Lapita」「万年筆」で検索してみると、多くの人が高い評価を与えていることが分かる。と同時に、「万年筆」を語る筆致の熱さに少々驚いてしまう。さらには、万年筆マニアのHPなどにも辿りつき、発売と同時に5本購入しただの、購入した付録万年筆を改造しまくるだの、その筋の世界の深淵さと暗さには、思わず脱帽すると同時に、その熱情がどこから生ずるのか、5秒ほど考え込んでしまうのであった。同じ文具フェチでも「消しゴムフェチ」よりは救えるとは思うが・・・

ちなみにLapitaがどういう雑誌かは、いまだ知らない。予備にもう1本(いや1冊)購入しておくかな・・・。