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NAXOSの日本作曲家選輯から武満徹の盤が発売されています。曲目には晩年の「精霊の庭」が入っていることや、映画音楽からの編曲も収録されていて大変に魅力的な構成です。
早速聴いてみましたが、オールソップ&ボーマンスso.のサウンドはクリアでかつ透明な響きといった印象。武満音楽の美しさを充分に表現していて聴きやすい仕上がりになっているようです。ただ個人的な好みからは、(うまく表現できないのですが)もう少し摩擦感といいますか、ひっかかりのようなものが欲しいところです。「ユニバーサル」な武満像という点では、こういう解釈が正統なのでしょうかね。
《3つの映画音楽》は、武満が手がけた映画音楽から作曲者自らがアレンジして組曲風にまとめたものとのこと。『黒い雨』は武満展で映画を観ている時は「暗いBGMだな」くらいにしか思いませんでしたが、音楽だけ聴いてみると極めて秀逸。『他人の顔』のワルツは諧謔性とデカダンな美しさに舌を巻きます。
演奏機会の少ない「ソリチュード・ソノール」も収録されているので武満ファンには必須な盤でしょう。
それにしても驚くのは(相変わらずの)片山杜秀氏の詳細にして緻密な解説。写真が挿入されているのは最初の頁だけ、下のような調子で11頁にも及ぶ解説はCDのそれを越えています。この解説を入手するだけでも、この盤の価値はあるかと・・・
かねてから敬愛していますおやぢの部屋2からトラックバックを受けました。そちらの解説の方が適切でございます。
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