ヤン・リシエツキ Jan Lisiecki(1995-)の新譜が発売されています。ショパンのノクターン(夜想曲)全曲です。リシエツキはグラモフォンに既に8枚の録音をしており、ショパンはこれが3枚目の録音となります。
実のところ、自分にとってショパンは苦手としている作曲家でして、あまり聴きこんだことがなかったのですけれど、この盤を聴いて、その先入観と苦手意識は見事に、そして完璧に崩れ去りました。ショパン素晴らしい!(好きな人には当たり前)というか、リシエツキのピアノがとても良いということなのでしょうね。
ショパンの練習曲全曲を録音したのが17歳、今はまだ26歳です。リシエツキ天才!とか思いますけど、ノクターンの最初の曲をショパンが作曲したのが20歳の頃といいますから、天才というのはそんなものなんでしょう、改めてその早熟性に感嘆するまでもなく。
どの曲を聴いても、しみじみと心に染みわたります。まるで宝物を手にしたような気分です。曲を聴いているだけで三杯は呑めます。
以下はグラモフォンからのリシエツキの言葉の引用です。
I’m the first to question why we should record something that has been recorded many times before. But music only lives through performance and is different every time we hear it, even when it’s a recording. I think there was something for me to say with this album. It reflects on the last year and my thoughts on that as well as on the escape and understanding that music gives us.
この先行きの見えない時代にあって、このような閉塞状況が延々と続くと考えると、だんだんと体だけではなく心も病んできてしまいます。元気な音楽も良いのですけれど、しばらくはショパンとリシエツキの音楽に癒しをもらうこととします。
- 夜想曲 第1番 変ロ短調 作品9の1
- 夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9の2
- 夜想曲 第3番 ロ長調 作品9の3
- 夜想曲 第4番 へ長調 作品15の1
- 夜想曲 第5番 嬰ヘ長調 作品15の2
- 夜想曲 第6番 ト短調 作品15の3
- 夜想曲 第7番 嬰ハ短調 作品27の1
- 夜想曲 第8番 変ニ長調 作品27の2
- 夜想曲 第9番 ロ長調 作品32の1
- 夜想曲 第10番 変イ長調 作品32の2
- 夜想曲 第11番 ト短調 作品37の1
- 夜想曲 第12番 ト長調 作品37の2
- 夜想曲 第13番 ハ短調 作品48の1
- 夜想曲 第14番 嬰ヘ短調 作品48の2
- 夜想曲 第15番 ヘ短調 作品55の1
- 夜想曲 第16番 変ホ長調 作品55の2
- 夜想曲 第17番 ロ長調 作品62の1
- 夜想曲 第18番 ホ長調 作品62の2
- 夜想曲 第19番 ホ短調 作品72の1
- 夜想曲 第21番 ハ短調 遺作 KK IVb,8
- 夜想曲 第20番 嬰ハ短調 遺作 KK IVa,16
(参考)
- ヤン・リシエツキがショパンの“夜想曲全集”を録音!(2枚組) TOWER RECORDS 2021.6.29
- Canadian pianist extraordinaire Jan Lisiecki returns to the music of Chopin Deutsche Grammophone 2021.8.10
- Jan Lisiecki on Chopin's Nocturnes Gramophone 2021.8.13
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