- ゆるやかな踊り Op.56 bis
- フルート、チェロとハープのための三重奏曲 Op.8
- フルートとピアノのためのソナタ Op.77
- 4本のフルートのための悲歌 Op.144-3
- 3本のフルートと1本のアルト・フルートのためのワロン地方のクリスマスキャロルによる2つのパラフレーズ Op.144 Nos.1-2
- フルート:マルク・グローウェルス チェロ:マリー・アランク ハープ:ソフィー・アランク ピアノ:ダリア・ウジール
- ブリュッセル王立音楽院のフルート四重奏団
- 録音:1997年12月
再びNAXOSのマルク・グローウェルスのフルートでヨゼフ・ヨンゲンのフルート作品集を聴いています。ヨンゲンは20世紀前半に活躍したベルギーの作曲家で印象派の影響を受けた作曲家ですが、曲は彼独自のトーンにあふれ、特に「哀しみ」の表現が顕著なように思えます。
ヨゼフ・ヨンゲンは20世紀の前半に活躍したベルギーの作曲家で、フランクやルクーに次いで知名度があるということになっていますが、私はこのCDで始めて彼の名前を知りました。
少し調べてみますと、ヨンゲンの音楽は大きく3つの時期に分けられるそうです。第1期はフランクやフォーレに影響を受けた時期。第2期は1910年頃から、ラヴェルよりもむしろドビュッシーの影響を受けた時期で、曲は印象派的な色彩を帯びてきます。第3期は晩年の30年でneo-classicismとmodernismの両方の側面を持ち合わせた曲を作曲しているそうです。(CD解説とClasscal Composeres Database)
ここに納められているのは第2期から第3期の、フルートのために作曲した曲です。どの曲もメランコリックで少し哀しげな曲調が印象的です。冒頭の作品56は4分弱の短い曲ですが、1918年のヨンゲンがイギリスに亡命していたときの曲とのこと、フルートの旋律にも切々とした哀しさと美しさが漂っています。
このCDを通して聴いてみると印象派とは言ってもヨンゲン独自のトーンや色彩が感じられ、「哀しみ」表現は彼の活躍した時代(両世界大戦を経験)とベルギーの不幸な歴史(特にベルギーへのナチス侵攻)などとも無関係ではないのでしょう。
作品80はフルートとチェロとハープのための三重奏曲ですが、確かに曲調曖昧さやメロディーのつかみところのなさは、印象派的といえるのかもしれません。チェロとフルートの掛け合いともいえるようなAssez lent の中間部は何とも表現しがたい雰囲気です。Allegretto moderato は一転してスケルツォで、フルートも技巧的なフレーズとなった、明るく快活な曲です。
Op.77のフルートとピアノのためのソナタは4楽章の30分近い曲です。フルートのピアノの見事な掛け合い、表情のガラリとした変化など、色彩の豊かさを堪能できる曲です。2楽章のTres animeと4楽章のGigue:Allegorはなかなか見事であります。
Op.114-3は4本のフルートのための曲です。5分半ほどの短い曲です。作曲年が1941年ですからナチスドイツのベネルクス3国への侵攻やパリの陥落、そういう時代の曲です。言い知れぬ哀しみがふつふつと沸いてきます。(楽譜があれば何とか演奏できそうですよ>某氏)
そういう曲を聴いたあとにOp.144 Nos.1-2のクリスマスキャロルによるパラフレーズを聴いていると、ヨンゲンの願っていたものが何であるか分かるような気になります。ろうそくの焔がゆらゆらと子供たちを照らすような、そんな幸せが夢のように感じられてきます。(こちらはなかなか難しそうですよ>某氏)
グローウェルスのフルートはここでも、響きはあくまでもストレートで抜群の安定感で心を満たしてくれます。
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