音楽のブログなのではありますが、やはり書いておかずにはいられません。31日付けの朝日新聞社説は『国旗国歌――起立せずで処分とは
』として東京都教育委員会の国旗・国歌に関する通達に関し職務命令違反があったとして180人もの職員を処分した件に触れていました。
一方、読売新聞では『[国旗・国歌]甲子園では普通のことなのに』として、国旗・国歌に対する学校の混乱を『学校だけが社会の意識とかけ離れている
』と断じています。
まず、朝日の論調を読んでみましょう。紙面は都教委の通達から今回の処分に至る一連流れを『いきすぎを通り越して、なんとも悲しい
』という言葉でまとめています。『日の丸や君が代に抵抗感を持つ人
』や『むりやり起立させられたり、歌わされたりするのはいただけないという人
』もいるのだから『一人残らず国旗に向かって起立させ、国歌を歌わせようというのはむりがある
』と書いています。
読売新聞は、都教委の通達を『式に国旗、国歌を正しく位置づけるため
』のものであると是認し、『日本の国旗、国歌はもちろん、外国の国旗、国歌をも尊重することが国際的礼儀につながることを子供たちに理解させることは、学校教育の大きな目的
』としています。サッカーのW杯などでの若者が国旗を振る姿にも触れ『国旗や国歌に対する自然な態度が育っている
』とし、先の学校だけが異常との論理で締めくくっています。
教育現場で何が起きているのか、昨日紹介した『世界 4月号』の『「報国」の暴風が吹き荒れる』(斉藤貴男)から引用しておきましょう。
- 教職員や来賓の席順表や式次第を、あらかじめ都教委に宛てて提出した学校がある。
- (式)当日はどの学校にも指導主事ら都教委職員四~八人ほどが来賓として派遣され
- 君が代斉唱に臨む教職員の態度を監視
- 教頭が教職員席周辺を歩いて「指針」通りに振舞われているか否かを確認
- その様子を都教委が壇上の来賓席から見張る
- 反抗的とされた教職員は例外なく、式の終了後、校長室で指導主事らに取り囲まれ事情聴取を受け
- 報告を受けて都教委人事部は改めて彼らを呼び出す
- 都教委同席の予行演習で「国歌斉唱の声が小さい!」と生徒を怒鳴りつけた校長がいた
- 君が代の伴奏をしたくないという音楽教師に「出て行け」と命じた
- 式典の後の講演会で、日の丸と並べて星条旗が掲揚され、アメリカ合衆国国歌の演奏とともに生徒が起立を促された(大田区内のA高校)
これが、ほとんどの学校現場で起きているならば、明らかに異常だとは思わないでしょうか。
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