2003年10月20日月曜日

李小牧:歌舞伎町案内人




何とも痛快な本だ。帯びにもあるようにマスコミ各氏や新聞でも話題になった本だから、題名を聞けば「あの本か」と思う人も多いだろう。


1988年に中国から日本に憧れてやってきた若者が、新宿歌舞伎町にどっぷりとはまり込み、ラブホテルの清掃から「お見合いパブ」のティッシュ配りなどを経て、歌舞伎町の「案内人」(彼は「キャッチ」とは違うと主張する)として成功するまでの、波瀾万丈の人生と歌舞伎町の裏社会を、生き生きと活写して見せた本である。ヤクザの「ケツ持ち」の話しや、中国マフィアや福建人の話など、実話だけあって迫力もすごい。




この本で感心するのは、李氏の類稀なバイタリティと行動力、そして犯罪には絶対に関らないという信念であろうか。それがあるから、彼の明るさと身軽さと、そして不思議な健康さが本書にノリと勢を与えている。馳星周の小説は読んだことがないが、ふと高村薫の「李歐」の背景などを思い出したものだ。


それにしても密入国者や外国人による犯罪が増加していることを考えると、不況とはいえ、今でも日本はアジアのなかで、自己防衛にマヌケでかつ金のなる国であると思われていることに改めて気づかされた。