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2003年11月11日火曜日

日本フィル 第137回サンデーコンサート




日時:2003年11月10日 14:00~
場所:東京芸術劇場
指揮:小林 研一郎
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
ヴァイオリン:二村 英仁

リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン(ジプシーの歌)
ラヴェル:演奏会用狂詩曲「ツィガーヌ(ジプシー)」
モンティ:チャールダーシ
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

コバケン+日フィルの演奏会に出かけた。リストのハンガリー狂詩曲に始まり、二村氏のヴァイオリンが3曲、そして「展覧会の絵」と親しみやすいプログラムであった。

しかし、日曜日14時のに始まる「サンデーコンサート」という気楽な雰囲気の演奏会のためか、会場が始終ざわついていてどこか緊張感に欠けていた。それは演奏中でもそうで、開放咳ならまだしも鞄やパンフレットのガサゴソする音が始終絶えない。そういう私も体調があまりよろしくなく、なかなか演奏に没頭できないで終わってしまったというのが正直な感想。

二村氏のヴァイオリンは優しく温かみのあり、それでいてなかなかに聴かせる演奏だったと思うのだけど、心には響いてこなかった。二村氏と日フィルとの相性という点ではどうだったのだろうか。「ツィゴイネルワイゼン」のような通俗名曲を技巧でブイブイ弾きまくる演奏が、二村氏のスタイルには似合わないのかもしれないとも思った。

ラヴェルやモンティは、私には始めての曲で、全くもったいないのであるが、とにかく楽しめないままに二村氏は去ってしまった。二村氏は、機会があればもっと近い席でじっくりと聴かせて貰いたい音であったことは付記しておこう。

次は「展覧会の絵」である。コバケンの展覧会なのだからとかなり期待して聴き始めた。しかし、本番であるから事故やミスは止むを得ないと思うのだが、金管群が不安だ。弱音でのアンサンブルの乱れも気になり、どことなく雑な印象を受ける。そして時々、自分の耳がおかしいのでは訝ったのだが、音程がどうもピンとこない。それも弱音での出だしの音だったり、重要な部分での音程であるだけに演奏全体の印象がぼやけてしまった。(プロのオケなので、音程が悪いということはありえないと思う。私は当日は風邪気味であったから、頭と耳がぼやけていたのだと思う。)

展覧会の絵は、強弱や緩急取り混ぜながら、最後のキエフの大門に向かって盛り上がる曲だが、最後のクライマックスも弱音での緊張が維持されてこそ壮大な感興が得られるものだ。肝心の弱音での繊細さや緻密さ、美しさに乗り切れなかったため、今日の演奏には満足できなかった。

アンコールは、何か1曲やった後に(忘れた)キエフの大門のラスト数分をもう一度演奏した。こういうアンコールもありかなとは思ったのだが、コバケンの生真面目さとサービス精神、そして音楽と日フィルへの深い愛情は感じたが、今日の演奏の印象をくつがえすものではなかった。

4月に東京に来て日フィルの演奏を聴くのはじめてであったのが、今まで数度聴いた東響と比較すると、弦の音色や雰囲気が異なっているように思えた。東響はどちらかといえば透明感が際立っているが、日フィルには音に粘性を感じ重心も低く、良い意味での雑味も感じることができる。それだけに全体のバランスが崩れてしまうといただけないというのが、今日の感想ではあった。体調の良いときに再度、コバケン+日フィルを聴いてみたい。

蛇足になるが、コバケンは3階席にいてさえ、その唸り(叫び?)声が聴こえるほどである。それでも、帰り際にクラシックファンたちが「コバケンも年をとったなあ」と感慨深げに話す声が、なぜか耳に残ったのであった。


2001年9月22日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 北海道定期を聴く

日時:2001年9月21日
場所:札幌コンサートホール(KITARA)
グスタフ・マーラー:歌曲集《さすらう若人の歌》
グスタフ・マーラー:交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」
指揮:井上 道義
ソプラノ:下原 千恵子
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団

日フィルの第25回北海道定期札幌演奏会に行ってきた。この前の札響の時と同じような(もっとひどい)悪天候。偶然今日の演奏会のあることを知り、仕事を途中で切り上げ駆けつけた。天気のせいなのか客の入りは7割くらいといったところだろうか。

日フィルも井上さんの指揮も聴くのが始めてであるので期待をもってでかけた。演奏は、ソプラノの下原さんもすばらしく、演奏の出だしをあでやかに彩ってくれた。ソプラノの声の凄さに改めて感心。すばらしい。もっと聴きたかったが、演奏時間16分というのはちょっと短すぎなかったろうか。

休憩をはさんでの「巨人」は、これもダイナミックにして若々しさを感じる演奏だった。ラストへ向けての盛り上げも素晴らしく、コーダにとてつもないクライマックスを用意するあたり、井上さんはけっこうショーマンだなと思った。

金管群を聴くと、これは札響よりもうまいと感じたのだが、このあいだの札響の弦セクションの音を思い出すと、比較することに意味があるのかは不明だが、札響の弦てすごく美しいのだと思った。日フィルが悪いというのではない、誤解しないでもらいたい。

ただ、今週は体力的にも精神的にも疲れていたせいか、最後まで演奏が体に浸透してくれなかった。何度か、鳥肌立つような部分もあったが、心から震撼できなかった。ブラボーの声はあちらこちらからあがっていただけに、残念に思った。

こういう重量級のプログラムの後にはアンコールはいらないのだが、会場の誕生日の人に向けて「ハッピバースデー・ボレロ版」というものを演奏した。これは、井上さんがよくやるものなのかは分からないけど、洒落ていて素晴らしかった。ここでやっと緊張が解けた感じ。

本当はもう少し細かなレヴュを書きたいが、適うだろうか?

蛇足になるが、今日は2階CB席7列という絶好のポジション(当日券)。斜め前で、女性が演奏にあわせて体を動かしたり、ティンパニをたたく動作を繰り返していたけど、女性でもいるんだなあ、そういう人。