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2004年6月25日金曜日

検証が可能であるということ

「CVID」「完全に、検証可能なやり方で、再生不能なかたちで破壊する(Complete, Verifiable, Irreversible Dismantlement)」とは北朝鮮の核開発プロジェクトに対するアメリカの主張です。これは北朝鮮に対するアメリカの強硬姿勢の現れとも取ることが出来るのですが、一方でイラクの大量破壊兵器に関してもそうであったように、北朝鮮やイラクが近隣諸国の武力が近隣諸国に対し脅威足りうるのかどうか、そこのところをアメリカ側の主張だけをもとにして信用してよいものか、疑問を感じもします。




政府の主張するイラク自衛隊派遣から多国籍軍への参加につながる判断についても、北朝鮮の脅威を前提とした上での国益を護るためと主張しているのですから、盲信・盲従でないことを願いたいところです。


日本国にはアメリカに匹敵する諜報機関も諜報能力も有していないのですから、アメリカの調査結果を正面切って否定することができないわけです。そういう意味からは、情報が著しく「非対称」であると言えます。検証などできないですし、アメリカの主張を疑問視する国との協調関係は全く築けていないように思えます。


相手に対し「完全に、検証可能なやり方で」と主張するからには、自身の調査結果についても本来はそうでなくてはならないわけですから、つまりは最近話題にした「外部監査」という機能が必要なのではないかと思うわけです。イラクの大量破壊兵器に対するパウエル国務長官の政略と詭弁に満ちた発現についても、世界各国は国益にかけてアメリカの妥当性を検証せねばならなかったはずです。


同じ話しは日本国内での年金問題や税金問題についても同様で、政府の示すバランスシートに対しての正当性を評価するようなことがあってこそ、新たな議論が始まるのではないかと、つらつら思うのでした。そういう意味では木村剛氏の活動に期待はしているのですが・・・ちょっと話しがバラバラでしたね。

2002年11月8日金曜日

【風見鶏】「米国フェデラルファンド金利引下げ」

11.08 日経、毎日、産経社説

米連邦準備理事会(FRB)は定例の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を0.5%引き下げ、1.25%とすることを決めた(41年ぶりの低水準)。公定歩合は同0.75%と1%を切り、物価上昇率を勘案すれば、実質短期金利はゼロということらしい。

11月8日付け日本の新聞各誌が報道しているように、先の中間選挙で共和党が圧勝したこと(かなり私は驚いたが)を受け、対テロ対策(特にイラク攻撃)への「戦時経済」に入ったことを意識した景気高揚策であるとの見方が強い。

日本経済新聞社説は『「戦時経済」を意識した米の大幅利下げ』と題し、低金利政策により消費者の購買力や企業の設備投資などが行われることに疑問を投げている。「減税を追加すれば、財政赤字拡大懸念から長期金利が上昇し、効果が減殺される公算もある」と指摘している。

毎日新聞社説も同様の論調だ。『米利下げ 日米ともゼロ金利は間違い』として、ブッシュ政権がITバブルの精算を出来ていないことを指摘し、減税も意識したゼロ金利政策は日本においても景気高揚には効果がなかったことと同様、「(米国の)財政赤字を恒常化させる政策以外の何ものでもない」としている。

一方、産経新聞社説は『減税と相乗効果の発揮を』として、世界同時不況を回避するためにも「減税と金融緩和の相乗効果で、この難局を乗り切る以外に手段はないだろう。日本も総合デフレ対策の効果的な実行で、世界経済の回復に協力すべきである」と米国の政策に好意的である。

米国の経済の翳りと先行きの不安感が払拭できないなか、ブッシュが中間選挙での圧勝を背景に対テロ対策で強行路線を取ることは明白であろう。米国経済の影響を少なからず受ける日本においても、共和党の経済外交路線には注意を払う必要があるのかもしれない。



HIYORIみどり 「気になるニュースといえば、北朝鮮の難民へ食料を供給するNGOの方が中国側に不法に拘束されていたということもあったわね」

KAZAみどり 「中国側外務省の報道官とNGOの方の話しがずいぶん異なっているような印象を受けるわ。藩陽領事館事件の時もそうだったけど、"中国は信用ならない国"というイメージを増強させているような気がする」

HIYORIみどり 「中国は資本主義へ移行しようとしているし、もしかすると、ものすごい潜在能力を秘めた大国に伸し上るわよね」

KAZAみどり 「世界情勢は、アメリカ、ロシア、中国、EU連合などの覇権争いが、色々な鞘当などを通して虎視眈々と進んでいるという気がするわ。日本はいつまでもアメリカの小判鮫でいいのかしら、日本には政界戦略という考えがないものね。アジアのナンバーワンの地位さえ怪しいわ」

HIYORIみどり 「で、米国金利の話しは?」

KAZAみどり 「週末は札幌は雪になりそうね・・・」

2002年10月30日水曜日

【風見鶏】「North Korea sticks to nuclear project」

「North Korea sticks to nuclear project」
10.30
International Herald Tribune
Howard W. French The New York Times
Wednesday, October 30, 2002

わざわざ英字新聞を読むまでもないが、日朝交渉で北朝鮮側は、日本と核問題については話し合う積もりがないことを明言した。

North Korea flatly rejected international demands that it abandon its nuclear weapons program in the opening session of normalization talks with Japan here Tuesday.

北朝鮮の過去を考えると、核のカードはアメリカとの交渉にとっておきたいということなのだろう。

記事によると、ワシントンは日本と韓国、中国に対しても同様に、北朝鮮の核廃絶に向けて"最大限の圧力(maximum pressure)"をかけることを強く望んでいるものの、今のところ三国はブッシュ大統領が望むような態度を示していないと、不満を表明している。さらに韓国はプレッシャーどころか、ワシントンの北朝鮮への色づけについて疑問を呈していると書いている。

一方、「Since the beginning of secret discussions between the two countries over a year ago, Japan has reportedly offered North Korea a huge amount of economic assistance in exchange for normalized diplomatic relations.」、と日本の経済援助について言及している。

以上はIHTに掲載された The New York Times の記事である。


America's game plan could lead to disaster
International Herald Tribune
Editorials & Opinions
Nicholas D. Kristof The New York Times
Wednesday, October 30, 2002

一方、同じくIHTの「Editorials & Opinions」には、現在の脅威はイラクではなく北朝鮮であると書き始め、アメリカの北朝鮮への対応についての The New York Times の社説が掲載されている。

主旨はアメリカがもし北朝鮮を孤立化させるような政策をとるならば、結果的には悲劇的な結末をまねくかもしれないと警告している。

記事では北朝鮮に何度も訪問したことのある学者 Han Park の言葉を引用している。

"North Koreans firmly believe that the United States cannot now make a military strike, because South Korea is a hostage and because of the Iraqi situation,"

"That may make North Korea a bit more reckless."

北朝鮮は、今でもすぐにでも少なくとも5本のプルトニウム型核兵器を作るだけの準備はできているため、経済制裁や軍事的な行動は、北朝鮮を追いこむこと(あるいは新たな朝鮮戦争の幕開け)になるとの見解である。

「So what should America do?」

NY Times は、強行路線ではなく北朝鮮と話し合うこと、可能なら中国を代理としてと述べている。

そして、「If all sides play their cards wisely, the United States could not only defuse the confrontation, but also set North Korea on a path like the one China took, away from Stalinism.」 として未来に期待を寄せている。

日本の新聞はこれから読むわ>先に読めよ。

HIYORIみどり 「日本もずいぶん軽く見られたものね、という意見もあるかもしれないけど。」

KAZAみどり 「というよりね、北朝鮮問題は1948年から続く南北朝鮮問題を、いまだに引きずっているのかもしれないわね。私たちには朝鮮戦争は、特需ということでしか記憶されていないけれど、大国の利害と冷戦によって南北が分断されたのよね」

2002年10月25日金曜日

拉致被害者の行方

どうもよく分からない。拉致被害者を帰国(北朝鮮)に返さないだとか、子供ともども日本に永住させるべきだとかいう議論だ。

拉致は国家の主権を侵されたのだ、まず国が北朝鮮に返さないと主張することに賛同するという意見もある。24年間の無責任を取り返すということなのだろう、国家としては当然の行為とは言える。一方、24年間も待ちつづけた家族の気持もわからないでもない。待って待って、やっとここまで辿り着いたという思いだろう。

でも、拉致されたという方々にも人生がある、しょっているものがある。不幸なる出来事により、考えもしなかった境遇に陥ったが、今までは北朝鮮で、それほどの不自由なく生活していたのだろうと思う。それを、よってたかって、おまえらは不幸だ、日本に戻れの大合唱。

「おまえは不幸な状況だ、状況を見極めろ」と言う事は、彼女あるいは彼らの、精一杯の24年間を否定しさることである。それはあまりにも残酷なもの言いのように響く。

彼女あるいは彼らの「不自由ない生活」がどこまで保証されたものであったのかは、今のところ分からない。また彼女あるいは彼らの言う「幸福」は歪められた現実の上の楼閣であるのかもしれない。北朝鮮が金正日による社会主義独裁政権で、さらに米朝合意に違反するような反社会的行動を取る未成熟な国家である。あるいは、情報、思想など自由主義の思想からは到底受け入れることのできない統制を国民に強いていることが伺えるし、一部のエリートたる高級官僚と一般市民の間には生活面で大きな断絶のあることも確かなようだ。北朝鮮に住むことの利点は、我々から見ると一つもないと思える。

それでも、彼らの日本えの永住帰国ということには、今の段階で疑問と不安を感じる。日本に永住するとして、仕事は、子供たちの教育は、住む場所は、いったい誰が面倒をみるのか。

以前私は、何が幸福か考える必要があるかもしれないと書いた。北朝鮮は横田さんの娘を、国家のプロパガンダに利用するほどの国である。人の人生を国家に巻き込んで平気である。しかし、日本においても拉致問題を政治の手段としてはならないような気がする。拉致と国交正常化は切り離して考えるべきなのかもしれない。

横田めぐみさんの娘さんのように、他の子供たちも「拉致された」という現実に、いつかは向き合う必要はあるのだろう。助言は必要だし助けもいるだろう。しかし、本当に幸福なことというのが何なのかは、本人たちが選択するものだ。そして日本は私たちがすすめるほどに幸せな国なのだろうかと自問せざるを得ないのだ。

いずれにしても、いまの状況は、私には痛々しくて正視できない。

2002年10月22日火曜日

【風見鶏】 「北朝鮮の核、日本が標的」 

北朝鮮の核開発問題を協議するため来日した米国のケリー国務次官補が日本政府要人との一連の会談で、「北朝鮮の核のターゲット(目標)は日本だ」と述べていたらしい。別に驚くには当たらないだろう、北朝鮮の脅威は昔から指摘されている。テポドンだって日本を標的としているのだろうし、北朝鮮の「学習組」が、結局は日本の北朝鮮化を各策しているということなど、その筋では周知だろう。

日本に向けて、通常ミサイルが北朝鮮から発射されたとする。米国はそれをレーダーで察知できるので、日本の首脳に緊急連絡をする。しかし、日本にはそれを迎撃するハードも、ソフトもないわけだ。内閣官房あたりでオタオタしているうちに、ミサイルは着弾する・・・(アメリカだったら迎撃できるのか、というモンダイはあるが)

外交姿勢を含め、日本の安全補償をどう考えるか、てことが抜け落ちている平和ボケ日本の現状も困ったものなのだが、かといって、「有事法制」に全面賛成できないところが Kazaみどりちゃん つーか、Hiyoriみどりちゃん つーか・・・

HIYORIみどり 「あんたタカなの?」

KAZAみどり 「タカピーではないわ。ハトピーてのはなんだか美味しそうね。鳩が豆くらって逃げるんだから、情けないけどね」


拉致被害者の帰国は本人の意志か? 
02/10/22 阿部官房副長官談

「北朝鮮に帰るのは本人の意志を尊重したい」だって? あれれ、いつから彼らは北朝鮮人になったのだい? 本人の意志以前に、彼らを守ることを放棄してきた日本政府。今後はどういう保護とサポートを提示するの? 帰国後の就職、子供の教育・・・彼らだって日本での生活は、北朝鮮のそれ以上に不安だろうに。何も手を打たずに「好きにしていいよ」では無責任にもほどがあると思う。

マスコミも、いつまでも歓迎ムードの一過性のお祭り騒ぎを止めて、地に足のついた帰国支援キャンペーンでもはるべきではないか。

HIYORIみどり 「曽我さんはずいぶん、表情がやわらいだわよね~。蓮池さんも、い異雰囲気ね。”いつまでも新婚の雰囲気で”だって~」

KAZAみどり 「みんな忘れないで欲しいわね、こういう雰囲気で歓迎したことを、責任を持って欲しいわ」


2002年10月18日金曜日

北朝鮮拉致被害者の帰国 3

北朝鮮から一時帰国した方々が故郷の土を踏んだ。過剰なまでの報道や歓迎ムードにいささか行き過ぎのように感じると書いた。昨日もある種の違和感を持って報道に接したのだが、暖かく迎えた家族や幼なじみとの再会の場面を見ると、やはり心に熱いものを覚えてしまうことは否定できない。(積極的に見たいとは思わなくてもTVニュースをつけると報道しているのだもの)

彼女あるいは彼らには、郷土での諸手を上げての歓迎は何よりの贈りものだったかもしれない。そっとしておいてやりたいと考える反面、こういうお祭り騒ぎのような歓迎の仕方も、良いのかもしれないと思うのだった。帰国当初の記者会見と今回のインタビューでの表情の違いを見るにつけ、彼女あるいは彼らの空白部分を少しずつ埋めていくのだなあと思った。

��V朝日の論説員がニュースステーションで述べていた。心のリハビリには静かな環境と、すべてを受け入れてくれる家族や友人が必要だと。故郷はそのどちらも満たしていたと。私のようなドライな考え方は、都会に住む者の無関心な考え方だったのかもしれないと思い直すのであった。ただ、ここまで歓迎しておいてムードが去った後には冷たく当たるというのではいけない。一時的な歓迎ではなく、末永いサポートであることを望みたい。

2002年10月17日木曜日

北朝鮮拉致被害者の帰国 2

拉致された方々について、次々に情報が流されている。一挙一動が全国民の目に晒されるような感さえある。マスコミは彼女あるいは彼らが何を食べ、何を話したか全て知りたがっている。

何かあれば家族会が記者会見にて話す。郷里に戻っても歓迎会と記者会見が用意されている。こういう状況は異常ではないのだろうか。

たとえば15日の帰国の日の各社のTVニュース。彼女あるいは彼らから得られる情報が微々たる物であったため、各局は再び今まで何度も何度も目にした、被害に遭ったときの場所や状況を、壊れたレコードのように繰り返し垂れ流した。ある番組は、彼女あるいは彼らの24年前と今の写真を拡大して並べ、番組の間中見せてくれるという親切さだ。24年間の時の重みを感じさせたいのだろうが、そんなことを、貴方ならして欲しいだろうか。貴方が今、幸福な状況にあるとしてもだ。帰国以前あるいは生死がわからない間は、24年前の写真は「記号」でしかなかった。しかし生身の人間が現在したその瞬間、それは「記号」なんかではなくなる。

こういう報道姿勢に違和感を感じないだだろうか。

ここで新潟の少女監禁事件(*)を思い出す。小学4年生だった少女を9年間に渡って監禁していたという異常な事件だ。あの事件では、被害者の人格と今後の社会復帰を考えて、報道は彼女に対してある程度の距離を置いた報道をしていたと思う。

その事件と、同じだとは言わない。でも、と感じるのは私だけだろうか?

結論から言うと、しばらくはそっとしておいてあげたいということだ。彼女あるいは彼らから、我々は感動をもらわなくても十分である。私たちは彼女や彼らに比べれば、はるかに安全で幸福な環境で、さまざまな刺激を受容しながら生きてきている。だから、彼女や彼らに悲劇の主人公のような役回りまで果させたくはないと思う。北朝鮮でも日本でも良い、彼女あるいは彼らが望む方法で、好きな場所で、普通に生活してくれればそれでいい、その結果を私は積極的に知りたいとは思わない。ましてや、日本と北朝鮮関係を変えて行くための役割を果すということは、本人の意志があれば別だが、酷すぎはしないだろうか。

ただ、北朝鮮問題、戦後の問題など、私には多くのことがわかってはいないのだが・・・

(*)2000年1月、9年前に失踪した当時小学校4年生の少女が9年2カ月ぶりに柏崎市で発見された。事件が起きた同県三条市から、わずか数十キロ離れたところである。少女は、誘拐したSex Offenderの男の家でずっと監禁生活を強いられていたのだった。男と少女は2階に住み、他人を一歩も入れず、階下には男の母親が召使同然の状態で住んでいた。少女は19歳になり、男は37歳になった。少女は直ちに親元に帰されたが、足掛け10年に及ぶ軟禁生活が彼女の今後の人生にどう影響していくのか。さらに、なぜこの男が警察の捜査網から漏れていたのか。野放しのSex Offenderの現状とともに、二重の意味で国民は大きな衝撃を受けた。


2002年10月16日水曜日

北朝鮮拉致被害者の帰国

北朝鮮に拉致されていた5人の方々が帰ってきた。さぞかしつらい思いであったことだろう。24年ぶりの抱擁には万感の、言葉にはできない感情が詰まっていたのだろうと思う。まずはよかったと言いたい。

しかし、この歓迎ムードに水をさすようだが、ふと思うことがある。マスコミの熱狂的な報道と私を含めたそれを見る者についてだ。報道に接するものは、報道から何を期待しているのだろう。熱烈な歓迎と帰還の喜び、あるいは変わらぬ家族愛だろうか。マスコミは多くのドラマが込められているので、ここぞとばかりに煽るように報道している。

でも、私の場合、冷たいと言われればそれまでだが、どうしても白けてしまう。皮肉な見方かもしれないが、彼女あるいは彼たちに、心からよかったいう気持が起こる反面、彼女あるいは彼らが北朝鮮に洗脳されてしまっていること、あるいは人質として家族を北朝鮮に取られている不幸な状況を、彼らの発言から読み取りたいと無意識のうちに思ってはいないか、そして、やっぱり北朝鮮は不気味で変な国だと再確認したいと思ってはいないか、と考えてしまうのだ。

最近閉幕したアジア大会での一シーンを思い出す。アジア大会には北朝鮮は美女応援団を派遣した。しかし彼女たちの不思議なそして違和感のある応援体操を見たとき、そこに北朝鮮の全体主義と総書記への絶対性に対する嫌悪に似た感情を感じた人もいるだろう。嫌悪の先にあるのは、北朝鮮は「アブナイ国」であるという認識(これもマスコミを通して喧伝されている認識だが)を新たにし、安心するようなところがないだろうか。

拉致被害者が「情報のカタマリ」という表現にもひっかかる。彼らはきちんとした人格と自我を持った人間であるはずだ。彼らは本当に不幸なのだろうか、いや不幸だったのだろうかと考えてみることは無意味だろうか。(間違いなく不幸な状況から始まったことは否定しないし、おそらく現在も不幸な状況=自由を制限された状況であるとは思う)

10月16日付のNewYork Timesは、日本の熱狂を横目に見ながらも「Abducted a Lifetime Ago, 5 Japanese Come Home for a Visit」として、帰国報道をトップページに掲載していた。米軍から脱走したCharles Robert Jenkinsのことに若干触れている点が、日本の新聞とは少し違うが論調は同じである。

拉致被害者の北朝鮮に残してきた家族が人質のようなものという点に関しては、「Pyongyang has said that the six children of the returnees did not want to accompany their parents to Japan. But in Tokyo, the Japanese grandparents said the children were being held as hostages」と言及するにとどめているようだった。

NewYork Times 記事は最後に「拉致して殺してしまう」という小泉首相の発言を紹介して終わっているが、米国にとってはどのような事件として写っているのだろう。少なくとも NewYork Times からは、悪の枢軸論を印象付ける記事という感じは受けた。ただし今の米国の主要話題は、ブッシュVSアルカイーダ(バリ島テロを含む)と連続狙撃事件である。Wasihngtonpost や Wasihington Times には拉致問題に関する記事は、トップページには確認できなかった。NewYork Times の記事が異例なのかもしれないが。(新聞は各誌のHPであることをお断り致します)

拉致問題には、第二次大戦中の日本と朝鮮の関係や補償問題、補償、拉致問題に関する歴代首相と外務省の無責任と無対応ぶり、北朝鮮脅威論と柔和策など多くの問題が絡んでいる。帰国報道のみが前面に取り上げられる報道には違和感を感じてもいる。