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2008年1月7日月曜日

年頭に当たってのメモ


Clala-Noteというカテゴリーがあったのを、すっかり忘れていた。とりあえず年頭に当たってのメモである。ごくごく、個人的なメモということで。

アメリカの大統領選を占う1月4日のアイオワ州党員集会では、民主党についてはオバマ上院議員が、ヒラリー氏などを抑えて圧勝した。「変化」を求める主張が、若者を中心に地すべり的な支持を得たとの解説が目に付く。アイオワの結果だけで全てを占うことはできないものの、今後の行方は興味深い。

それにしても「変化」か! 数年前の小泉政権を生んだときの熱気を、懐かしく思い出す。今の日本の政治風景は、あまりにもあの時と違っている。「劇場型政治」がやっと終わったと胸を撫で下ろす良識派が居ることは知っている。私も小泉政権には幻滅したクチだ。それにしても、日本政治のダメさ加減よ。

年末のパキスタンのブット首相暗殺には、遂にという想いとともに、残念な気持ちでいっぱいである。パキスタンは昨年9月から、テロ特措法からみで内外の新聞をウォッチしてきた。今年の総選挙を睨んで9月10日にシャリフ元首相が帰国を企てたものの、パキスタンの地を踏むことさえできず、空港から国外追放された頃からだ。10月18日、熱狂と爆薬に迎えられブット氏は帰国した。二人の帰国に対する戦略の違いは、海外のメディアで話題となった。西側受けするブット氏はBBSを始めとするメディアで強くパキスタンの将来について語っていた。

ムシャラフ氏が99年に権力を握ったときのパキスタンは政治的に孤立し、経済も破綻状態だった。穏健で近代的な国家建設に向けて方向転換をしたのは確かにムシャラフだったらしい。だから、NEWSWEEK 11.21(日本版)の「PAKISTAN'S PINSTRIPE REVOLUTION」という記事が指摘した、「ムシャラフVSブットという構図は、あまりにもアメリカ的な見方」という意見には成る程と思ったものだ。アメリカはブット氏をパキスタンの鎹として起用しようとしたのだろう、シャリフを通じてではパキスタンを制御できない、ムシャラフの地位も支持力も低下していた。

もっとも私のパキスタン情報など、せいぜいが3ヶ月くらいの知識に基づくものでしかない。だから私は、ブット氏を支持あるいは好感視していたわけではない、たとえムードでいいとしてもだ。

とはいえブット氏帰国を狙った爆弾テロは卑劣にして悲惨なものだった。どう考えても容認することができない。彼女はテロの危険を、事前にムシャラフから警告されていながらも帰国を敢行した。彼女の主張は明快だった。「パキスタンに真の民主主義を」だ。ムシャラフも民主主義を否定してはいない、しかし彼女のそれとは違う。

ムシャラフ、ブット、シャリフは、政権争いだけではなく、混迷を極めるパキスタンの立て直しのために、虚虚実実の駆け引きを繰り広げていた。あるときは手を結び、あるときは相手を批判し。その政治的緊張は、ある意味で健全な政治風景であった。ムシャラフ氏が軍参謀という独裁的権力を振りかざし、緊急事態宣言を発令したり政治・司法の敵対者を軟禁・逮捕したりしている状態であることは承知していても、政治的への期待が生み出すダイナミズムは失われてはいない。

そんな政治風景を、12月28日のブット氏暗殺事件は一変させた。軍部の陰謀であろうと、タリバンあるいはアルカイーダ系のテロ組織であろうと微妙かつ絶妙な均衡と西側諸国の思惑は崩壊した。ブット氏の暗殺は、アメリカ主導によるテロ掃討作戦、あるいはイスラムへの干渉に対する、強烈な「NO」という意思表示だ。

その犠牲になったのがブット氏なのだろうか、パキスタンと米国の狭間において。どんな政治的野心がブット氏にあったろうとも、テロの危険を誰よりも察知していながらも政治活動、政治集会を辞めなかったブット氏の姿勢を、私は支持する。


さて、振り返って日本だ。日本にとって、パキスタンはどれほど重要な国と写っているだろう。呑気に給油が国際社会での義務だとのたまう政治家は、何を考えているのだろう。そんな緊張状態の中で、世界は2008年を迎えた。

昨年は安倍首相の「ボクおなかがいたいの辞任」や、小沢代表の「みんな言うこと聞かないんで、もう辞めます」もあった。その後の民主党の「天岩戸行動」にも心底失望したものだ、まるで学芸会を見ているようではなかったか。内閣改造も総選挙も、数合わせ保身と保守だけにしか見えない。

11.21のNEWSWEEK誌には「THE BELGIFICATION OF JAPAN」とする記事も掲載されていた。曰く、日本では日本のエリート層で、ほぼ全ての主要テーマについて政治的コンセンサスが出来上がっている主要政党の政策の違いが小さいほど、国民が政治に関心を持つ理由も小さくなる

福田・小沢の大連立構想については、海外のメディアは、たとえばA grand coalition for Japan was a very bad ideaなどと報じた。ドイツのそれとは違うと。自民党と民主党にどんな政策的差異があるのかと。それが国民が政党政治にうんざりしている原因のひとつであるのに、新たなムーブメントは大きくならない。

未だ底の見えないサブプライム問題、米国景気のリセッション、原油高、日本景気に対する見切りからくる日本株売り、中国、アジア諸国の更なる台頭と国際発言力の増大。円に左右される輸出企業の業績、島国根性を脱しきれない日本のスタンダード、エトセトラ・・・。

ブッシュは死に体、福田は「ひとごと政治」だ。村上龍の『半島を出よ』はフィクションだったが、日本が強大な経済力を失うと国際的地位も失うとの指摘は強烈だった。


年初めの日経平均株価もTOPIXも大幅な下落状態から始まったことは、それでも記憶しておかなくてはならない、年頭から暗澹たる気分だ、投資などしていないにも関わらずだ。悪夢の始まりかあるいは変革の途上か、はたまた。















2007年9月16日日曜日

行楽シーズンですね、ということでパキスタン・・・


三連休で東京は天気が良いですね、まだ残暑厳しいですが行楽シーズン到来といったところでしょうか。


さて、日本の総裁選以上にパキスタン情勢が面白いというわけでもありませんが、個人的な覚え書きとして、その後の状況を少し調べてみました。今後もパキスタン情勢について書き続けるわけではありませんよ。




そもそもパキスタンという国は、独立以来アメリカと共同関係にあり、インドとはカシミール問題で対立しています。中国とは友好関係にあり、中国と共同開発している戦闘機のミサイルとレーダをフランスから購入するという記事が1週間前の新聞に出ていましたかね。北朝鮮とは核兵器開発疑惑の関係にありますね。そういうフクザツな国でありながら、日本(当時の小泉政権)は2002年に日パキスタン国交樹立50周年を契機に友好関係の増進を図っています。


1999年の無血クーデターで現ムシャラフ大統領による独裁政権が誕生しています。ムシャラフ政権をアメリカは支持しており、パキスタン政府が「テロとの戦い」としての国際治安支援部隊(ISAF)=多国籍軍の中では、唯一のイスラム国であることは以前書きましたか。


アメリカ支援によるテロ掃討作戦によるイスラム教徒への圧迫が、国内の反ムシャラフ勢力の不満を掻き立てているようです。


さて、そんな中で11月の総選挙に向けて復活を目論むシャリフ元首相とブットー元首相が相次いでパキスタンに戻ろうとしたわけです。シャリフ元首相は、政策的には徹底的に反ムシャラフを貫いていますから、ムシャラフとは犬猿の仲。パキスタンに着いたと思ったら、数時間で国外追放されてしまいました。


一方で、冷静でタフなブットー前首相は、シャリフ前首相のようなオマヌケは避けているようです。ムシャラフ大統領に譲歩と歩み寄りの気配さえ見せながら、復帰を狙っています。しかし、アメリカ筋の新聞を読んでいると、ブットー前首相がムシャラフと組むのか、あるいは敵対するのか、その動向は未だつかめないとしています。特にパキスタンは大統領選を10月初旬に早めました。ブットー前首相が何故大統領選の終わった後(10/18)に帰国するのか、その意図は彼女の陣営はコメントを拒否しています。


ワシントン・ポストによると、ブットーとムシャラフが何らかの取引(ムシャラフ再選支持と帰国のバーター取引)をしているにせよ、両陣営が組むことはどちらにとっても両刃の刃であるように書いています。ムシャラフが現権力を維持するにはブットーの協力が必要なのですが、ムシャラフ陣営はブットーが実現させようとしている民主主義に対して懸念を示しています。彼女のCNNへのインタビューには(何を言っているのか私の英語力ではさっぱりですが)'democracy'という言葉が何度も出てきました。


隣国のインドの人々のパキスタン政局に対する見方は無関心です。どちらが首相になったところで、軍がパキスタンを支配し、最も重要な問題(インド外交、アフガニスタン問題、USとの関係、核兵器、テロリズム)についての決定も軍が継続するだろうとしています。文民支配はパキスタンにおいては実現しないだろうと。ブットー前首相の所属する政党PPPはパキスタン内で大きな支持を得ていますが、インド人のブットー前首相の見方は下記のように冷淡です。



Benazir created the Taliban, J&K insurgency, bought missiles from North Korea and was scam-tainted.


The Times of India:Whatever happens, Pak army will call the shots

16 Sep 2007, 0134 hrs IST,Indrani Bagchi,TNN


ただし、インドにおいてもテロリズムは脅威であり、パキスタンの政情安定はインドも望むところではあるようです。

Pakistan is in for a sustained period of instability as its political dramas play themselves out. It's bad news for India in the longer term, because it gives space for the Taliban, Al Qaida and other Islamist terrorist groups to grow and prosper. India has now become established as one of the target countries of the Al Qaida ― and the current political confusion is not a good sign.


アメリカは、パキスタンに現在の政策が継続されることを望んでいることは言うまでもありません。テロとの戦いからパキスタンが抜けることは、アメリカの大義にとっても非常に懸念される問題ですから。


日本にとってはアメリカというフィルターを通したパキスタン外交というスタンスしかありえませんから、パキスタンを誰が統治しようとインドのエスタブリッシュメント以上に'supreme disinterest'な問題でしかありませんね。

2007年9月15日土曜日

福田氏優勢らしいですが・・・パキスタンについてです

自民党総裁選ですが福田氏が、あっという間に党内シンパをつくり麻生氏を圧倒したようですね。安倍元首相は「テロとの戦い」を主張して、テロ特措法によるインド洋上での海上支援活動を進めることが、自分にとって一番大事なことと判断していました。

しかし、肝心のそのパキスタン政府ですが、現在日本以上に政局は混沌としています。 

米国に支えられたムシャラフ現大統領と、7年の国外追放の後に戻ってきたシャリフ元首相*1)。国内の反米意識の高まりからムシャラフ現大統領の国内での支持率は低く、ビン・ラディンの方が人気との報告もあるそうです。2007年11月の総選挙にはブットー前首相*2)も加わります。反米野党がムシャラフ政権を倒し、更にパキスタンがISAF(国際治安支援部隊=国連安保理決議1386号)から離脱したら・・・。まあ、イロイロ複雑なことになるでしょうねえ。パキスタンはずっと親米政権を維持*3)していまいしたが、アメリカにも日本にとってもパキスタンって微妙かと。

そういう意味では、日本の政局よりも興味深かったりします。日本は所詮自民党内での権力闘争、誰がなったって一緒でしょうから。

上記のエントリは、安倍さんがあんなに拘ったテロ特措法について、ヒマだったんで昼休みにネットで調べた*4)程度の知識をベースにしていますから、深く突っ込まないでくださいよ。給油されている燃料の8割が実はイラク戦争に使われているという江田議員の指摘もあったように、ワイドショーで知識を仕入れている方の方がお詳しいかと。

  1. シャリフ元首相は9/10の帰国と同時に国外に再追放されたままです。
  2. ブッドー元首相は10/18に帰国すると発表されています。彼女は帰国に際してシャリフ元首相のようなメにあうことはなさそうです。
  3. パキスタンにとって「テロとの闘い」は国内的にも大きな懸念事項であり、その点はムシャラフ大統領と同じ認識なのでしょう。しかしシャリフ氏のbrotherがTIME誌のインタビューに、次のように語って、ムシャラフ大統領との立場の違いについて言及しています。

    This issue of terrorism is as much an issue for Pakistan as it is a Western issue. But somehow, because of this strained environment, because of his relationship with the U.S., people have come to believe that Musharraf is only an American stooge supporting an American agenda, which is not correct. Extremism and terrorism is Pakistan’s problem, and Pakistan’s job to combat. It is on our agenda, and we must fight it, but fight it differently than how we have been doing.

    Interview: Shahbaz Sharif on His Brother
    Thursday, Sep. 13, 2007 By ARYN BAKER/ISLAMABAD
    http://www.time.com/

  4. 9/15に追記、一部修正しています。

2007年8月27日月曜日

【本棚】カレル・ヴァン・ウォルフレン:日本人だけが知らないアメリカ「世界支配」の終わり

『日本 権力構造の謎』や『人間を幸福にしない日本というシステム』などの名著で知られるウォルフレンの近著です。

冷戦終結後、アメリカによる世界支配が強まったと日本人は考えているが、そんなことはない。むしろアジアや欧州各国はアメリカから距離を置き始めているし、アメリカの主張してきたグローバリズムだって幻想であったのだよとウォルフレンは主張します。

彼にかかると『フラット化する世界』や『レクサスとオリーブの木』を書いたトマス・フリードマン氏はこの人物の視点はジャーナリストというより、億万長者のものだと評した方が正しい(P.91)となり、ピーター・ドラッカーについては彼がセレブリティであったから日本でベストセラーになったのだと断じます。セレブリティとは一般大衆の大多数が名前を認識できる人々のことであり、広く知られているから有名なのだと説きます。そのセレブリティ文化の中には9.11後にベストセラーとなったフクヤマやハンチントンも含まれます。

つまり、われわれが聞かされる誤った物語を助長する思想というのは、必ずしもわれわれが耳を傾ける必要はない、ただ単にメディアによって生み出された奇妙なセレブリティ文化によって世界的な読者を獲得した人物たちによって創られるということなのである。(P.38)

アメリカなどが進めたグローバリズムとかネオリベラリズムというのは、かつて、より安い労働力を求めて発展途上国の安い労働力を利用して先進国が育ったように、資本的にも投資的にも障壁をなくして、再びアジアやアフリカなどを搾取している構図(侵略的資本主義)に他ならないのだと説きます。

こう書くと、実も蓋もありませんし、陳腐な話題に響くかもしれません。あるいは、本書の内容に違和感を覚える人も居るでしょう。それにしても、彼が言う「間違った物語」について、同調したり反論するメディアは殆ど見られないということ。そもそも「物語の存在」さえ俎上に上らないということこそ、日本では問題なのではないかと常々思っています。

本書の投げかけているテーマは、実際は上に要約したような単純なものでは到底なく、自分的には消化しきれていません。しかし、「アメリカ支配」をどう脱するか、世界とどう日本が向き合うか、ということは古くてしかも極めて現代的にして重要な政治テーマであると思います。

2003年4月13日日曜日

田中宇のジャーナリズム





田中宇(さかい)と言う名前を聞いたことがあるだろうか。「田中宇の国際ニュース解説」というサイトを運営し、自らのサイトそしてメールマガジンで国際社会のニュースの裏側を解説してくれている。サイトは何を隠そう私も欠かさず読んでおり、多くのことを教えてもらっている。この本を見た家内は「TVで良く名前を見るよ」とも言っていた。かなりユーメー人のようである。 
右の書では「ネットジャーナリズムを確立した男」と紹介されている。田中氏は1961年生まれ。大学を卒業後、繊維メーカー勤務を経て共同通信社に入社。その後、マイクロソフト社に入社し日本発のコラムサイト「MSNジャーナル」を立ち上げる。1999年独立しジャーナリストとして現在の活動を続ける、という経歴だ。

彼のコラムを何気なく読むが、その分析力と情報収集力の多岐に渡る点はいつも感嘆する。インタビューによれば、彼はインターネットを駆使し毎日30ほどの記事にざっと目を通し記事を書いているという。ひとつの記事には平均30時間ほどかかるのだとか。それだもの記事がおもしろいわけだ。
右に紹介した本は、これらのネットで公開されたものの中から文庫本として編集したものだ。最新の彼の記事はネットで読めるので、わざわざこの本を買わなくてもよいかもしれない。また、この2冊を読んだからとて国際情勢の裏が急に見えてくるわけでも、事情通になれるわけでもない。
それでもひとつのきっかけにはなる。
私は国際情勢の面白さを、彼のサイトで知ったような気がする。例えば田中氏はアメリカが受けた911テロも、真珠湾同様に仕組まれたテロであるとする本も上梓している。そんなバカなと思うかもしれないが、その手の意見は欧米の新聞紙面では多く見かけるらしい。朝日新聞やNHKは間違ってもそういう報道はしないだろう。
イラク戦争の理由を考える上での、石油利権問題やネオコンの存在は、テレビ(それもサンデープロジェクトあたり)が問題にするはるか以前から彼はネットで指摘していた。彼の記事を読んでいたので「何をいまさら」と思ったものだ。
私たちが新聞やTVから受ける情報は、一面的でかつ一方的だ。その裏で何が起こっているのかは、嗅覚を働かせなくては見えてこない。
バグダット陥落時に市民がフセイン銅像を引き倒したのも、まわりで騒いでいた市民も米軍の指しがねであるとの週刊誌報道もあったりした。何が真実なのかは永久にわからない。しかし、その報道が与える効果、影響は何か、何のためにこの報道がその時期に流されるのか、そういうことを少しでも感じることは、流されずに生きて行く上で重要なことだと思う。
田中氏のジャーナリズムは、そういう表に見えないものに重要なメッセージが込められていることを気づかせてくれた点において、極めて秀逸であると思う。

2002年11月14日木曜日

思いつくままに

最近の米国の発表を聞いていると、どうやら米国はブッシュを教祖とするカルト教団と手法が変わらないことに気づく。
 
オウム真理教はサリンをばらまき、不安と恐怖を演出することで自らの教義の正しさを増強しようとした。 今アメリカは、世界中にイラクとテロと北朝鮮に関する不安をあおり(これで不安を感じない国はテロ国会以外ありえなくなる)、自らの政策を増強させている。「我々につくかテロ国家につくか」と大胆かつ幼稚にも世界を二分した論理は健在だ。

アメリカでは中間選挙で共和党の圧勝し、新聞では米国の大多数が共和党の外交政策を支持しているというから驚きだ。(USA Today, CNN, ギャラップ社の共同世論調査)

フセイン大統領の選挙も、投票率100%と言っていたようだが、どこまで本当なのかは分からない。100%の投票率が信じられないのと同様、米国の中間選挙の投票率は30%台という感心の低さだ。「投票に行かせない戦略」をとっていると指摘する人もいる。選挙活動がビジネスになるほどの国だ。ちなみにドイツの総選挙は80%台、英国ブレア再選の総選挙も、低投票率と言われながらも59%だそうだ。手元にメモがないので日本の選挙の投票率は分からないが。

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思考停止ということがある。911テロ後のアメリカだ。共和党どころか民主党もこぞって、テロ批判に傾いた。少し前の北朝鮮のテポドン、日本中も慌てふためいて「北朝鮮はなんてキケンな国だ」となった。あの頃ならどんな超法規的軍事対応も可能だったかもしれない。
 
有事は平時にこそ考えておかなくてはならない。日本には軍事関連を増強させるためにテロを利用したり、さらにはテロを演出さえするようなことまではしていないが、米国はそうは見られていないようだ。英国のGardian誌には、米国で著名な作家であるゴア・ヴィダル氏(イタリア在住)が、米国のテロに関する疑惑を発表したことを紹介していた。(Gore Vidal claims 'Bush junta' complict in 9/11)

KAZAみどりで、既に戦争は始まっていると書いた。実際イラクの飛行禁止区域では米英が爆撃を続けている。米英のイラク攻撃は、この先100年以上の石油利権を賭けた(フランス、中国、ロシアとの)覇権争いであると指摘する人もいる。私には、それを否定することも鵜呑みにすることもできない。

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一方、拉致被害者にの家族に対し、石原東京都知事の「軍隊を出して取り返してくるくらいの気持が必要」という問題発言についてKAZAみどりで触れた。こういう反応は過激だと思われがちだが、軍隊を有した主権国家の国民としては当然の反応かもしれない。「およそ国民と国土を守るために徴税している国が、自国民の安全確保さえできない」ということは、考えられないのである。

ただ、拉致被害者の北朝鮮の家族を日本に連れ戻すということは、別問題であるような気がしてならない。彼らの国籍はどこにあるのか、彼らを「守る」国はどこなのか。拉致被害者が帰国してずいぶん時間が経った。北朝鮮の家族はどのような説明を受けているのだろう。
 
拉致被害者の、死亡したとされる残りの方や、それ以外にも何十人もいると思われている人たちの疑惑解明は、日本外交として強力に交渉するべきだと思う。しかし、今回の帰国家族は外交カードとするには、問題がないのだろうか。今こそ「人道的問題」となったのではなかろうか。
 
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ハナシは飛ぶが、最近もうひとつ、よく分からないのが「産業再生機構」なるもの。整理再生機構でもできたことを、改めて組織をつくり、過去の失敗者を性懲りもなく責任者に据え、彼らに何をやらせようとしているのか。考えるだびに、ため息しか出ない。
 
企業が潰れること、弱い企業が資本主義の市場から撤退することは、市場原理の原則といわれればそれまでだ。しかし市場にまかせるだけではなく、日本の産業構造をどう変革するのかというビジョンが欠けている。産業の空洞化、技術立国の衰退と叫ぶけど、ではどこを育てるのかと。このままではつぶされもせず、かといって生き返りもせず。またしても 「茹で蛙」 か?

2002年10月20日日曜日

緊迫する国際情勢 2

10月19日付けのInternational Herald Tribune (電子版)を見ていたら「Korea atom effort: U.S.knew early on But North's admission was a surprise」という興味深い記事が掲載されていた。

これによると、米国は2年程前から米国は北朝鮮での核開発の疑惑について証拠をつかんでいたらしい。核疑惑の真相を確信しつつあるときに小泉首相の訪米の情報が届いたらしい。これについては、「A new debate within the administration ensued, but it was interrupted by the surprise announcement from Koizumi that he was making his own high-profile visit to North Korea.」と書いている。

そして、小泉首相は訪朝前の12日に、ワシントンにて核疑惑の証拠について伝えらたとしている。

更に米国は、核疑惑について日本が北朝鮮にプレッシャーを加えることを期待するとともに、10月3日から5日にかけて自ら北朝鮮と交渉を行い、核疑惑について証拠を突きつけたわけだ。米国は北朝鮮が核疑惑を認めるとは全く想定してなかったらしく、そこのところは IHT の記事は「A senior U.S.official said the delegation assumed the North Koreans would deny the charges, as they did the first day, and U.S.officials were prepared to freeze any cooperation」と書いている。このことこそ、アメリカの意図だったのではなかろうか。

記事は、アメリカが日本が日朝交渉を単独で勧めてゆくこと、更には北朝鮮が「悪の枢軸」から外れてしまうことを望んでいないというShigemuraのコメントを引用している。もしも、外れてしまったら、現在のアメリカとテロリストの戦いが、アメリカとイスラムの戦いということになってしまうことは、米国の望むところではないというのだ。

うーん、ここまでくると分からないねえ。

そんな記事を見つけた後、The NewYork Times(電子版)を見ていたら、曽我ひとみさんと結婚してるとされる、アメリカ人のJenkinsについて「News of Ex-G.I. in North Korea Only Deepens Mystery It was the unlikeliest of marriages」とする記事が掲載されていた。

これによると、Jenkinsは亡命したことになっているが、アメリカに住むJenkinsの家族はこの事実を信じてはいない、ネイティブな英語を教えるための人材として、同様に拉致されたのだと考えているらしいのだ。Jenkinsは拉致被害者が日本に渡るときに見送りに飛行場まで来ている。その際に日本の外務省官僚と会話をしている。日本に帰宅はないかという質問に対し彼は、「It might be difficult for me to vist Japan, until my situation improves」と答えているらしい。

米軍は長く、Jenkinsを亡命者として扱ってきている。それは1960年に彼によって家族に向けて書かれた farewell letter とラジオ放送をもとにしているというが、家族はその手紙そのものを偽者と主張しているらしい。家族は一度も手紙など受け取ったことがないと。

うーん、ここでも謎は深まるばかり。

世界情勢は推理小説よりも奇なりだ。朝鮮銀行のことまでは、書けなかったよ。今回は、引用ばっかりだなあ。


2002年10月19日土曜日

18日から臨時国会がはじまったが、産経新聞と読売新聞は、またぞろ個人情報保護法案と有事法案の成立に向けた論調を張り始めた(10月17日 両新聞社説)。同日の新聞では、イラクでフセインが100%の得票率で再選されたことも報道していた。23年間も大統領の地位にあるということそのものが異常で作為的と感じる。反米感情の高まりも後押ししているのだろうか。

米国は相変わらずイラクへの強行姿勢を崩さない。素行不良な生徒に「おまえは素行が悪いし問題を起こしやすい。ちょっと目を離すとアブナイ行動を取るから、ポケットに隠しているものを全部出しなさい」と、後ろ手にバットを握って迫る暴力教師のような感がある。10月17日付けのNewYork Times誌 と WashingtonPost誌(電子版)は、ともに「Bush Signs Iraq Resolution」(米大統領、イラク武力行使容認決議案に署名)が一面トップに掲載されていた。

ブッシュ大統領は、以下のように語っている。

Our desire is to help Iraqi citizens to find the blessings of liberty within their own culture and their own traditions, The gifted people of Iraq will flourish if and when oppression is lifted. When Iraq has a government committed to the freedom and well-being of its people, America, along with many other nations, will share a responsibility to help Iraq reform and prosper. And we will meet our responsibilities. That's our pledge to the Iraqi people.

イラクの国民、フセインに投票した人も しなかった人も、実際はどう考えているのか。

これは、北朝鮮についても同様だ。拉致被害者が思ったほど悲惨な日常生活(衣食住に関して)を送っていてはいなかったと知り、ほっとした人は多いだろう。しかし、実際の北朝鮮の実態はどうなんだろう。「親愛なる金正日総書記・・・」というフレーズを言わないと政治犯、実際の姿が見えてこない。

両方とも悪の枢軸・・・我々が見ているのは、地球から見える月面だけではないのだろうか。

てなことを考えていたら、10月18日の北朝鮮の爆弾発言だ。「N. Korea admits nuclear program」という見出しがアメリカの新聞(電子版)に踊っていたので驚いた。小泉首相が日朝国交正常化交渉を月末に控えたこの時期にである。18日のNHKニュースではトップ扱いでこの話題を報じていた。22時のニュースに出演していた解説員は「北朝鮮の瀬戸際外交という従来の考え方と、大いなる譲歩の第一歩という両極端の考え方がある」と述べていた。

10月19日の、日経、朝日、読売、毎日、産経の各誌社説(電子版)は、こぞって北朝鮮の「瀬戸際外交」を非難している。国際的にも非難されるべきだと。

ブッシュはイラクとは温度差があるものの、北朝鮮に対して強行姿勢(外交的手段)を講じることを強調している。と思っていたら、18日のNewYorkTimes誌(電子版)には「U.S. Says Pakistan Gave Technology to North Korea」としてパキスタンが北朝鮮に核開発の設備を供与しているという記事が踊っているではないか。

私には、この複雑な国際情勢を読み解く力がない。一体どうなるんだろう(@_@;;;

◇◇◇◇

このごろ海外の新聞(電子版)をヒマなときにウォッチしている。英語は不得手なので見出しとリードくらいしか読まないのだが、日本の新聞しか見ていないと気づかないことが書かれていて興味深い。

もっとも、9.11テロ以来、NewYork Times誌 や WashingtonPost誌の論調が変化したと指摘する人もいる。あからさまなブッシュ批判が影を潜めてきたというのだ。そういう点では、英語が得手ならイギリスの新聞(Guardianなど)やアジアの新聞(Asia Timesなど)も参照する必要があるんだろう 、実際はそこまでは目も時間も回らないが。