2004年1月2日金曜日

養老孟司:<逆さメガネ>、バカの壁




書店に行くと「バカの壁」が山積みで記録的なベストセラーを記録しているとのこと。更に養老氏の本が何種類もバナナの叩き売りのように積まれているのを見て、まあ話題だし読んでみようかという気になって2冊ほど購入。しかしながら、正月早々、くだらない本を読んでしまったというのが正気な感想か。amazon.comのカスタマーズ・レビュにざっと目を通しても、否定的な感想が多いようである。


この2冊は4ヶ月をおいて発行されているが、内容はどちらもほとんど同一。さらに、養老氏自らが執筆しているのではなく、これは私の話を、新潮社の編集部の人たちが文章化してくれた本(「バカの壁」P.3)という、なんともバカにした本である。





なぜこのような本がバカ売れし、しかも二匹のドジョウならぬ数匹のドジョウにまで化けねばならぬのかと思うことしきり。「バカの壁」という風変わりで、少し過激なタイトルでなければ、あるいはここまで売れなかったかもしれず、新潮社の商売のうまさには感服する。


内容批判をする前に、くさしてしまったが、考えてみれば内容を書くのもばかばかしい。要は、話が単純、短絡的、牽強付会、一面的、こじつけ、例題が貧弱、理論が貧弱。縁側で経験豊富でちょと賢い爺さんが話す小言をまとめたような本と言ってよいかもしれない。


もっとも、もののひとつの見方を提示するという点では確かに一理あるかとは思う。養老氏が「都市化」と称する考え方には同意できる部分も多い(<逆さメガネ>)。しかし個性と身体性云々のところは、成る程とさえ思えない。養老氏は「バカの壁」と常識を疑う「逆さメガネ」を強調するが、彼自身の中で「壁」があるのではなかろうか。ただどちらかを読むとしたならば、<逆さメガネ>が良い、こちらの方が氏の考え方がストレートに出ている。


先にも書いたが、今日も書店に行ったら山のように養老氏の名前を冠した本が山となっていたが、どんなに「良い本」であろうと、二度と氏の本は読まないだろう。