以前にも書いたことがありますが、私はベスト版とかオムニバス版はあまり好きになれません。どうしても全曲を聴きたくなりますし、全体あっての部分であると考えるだけに「おいしいところ」だけを取ったというような構成に馴染めないのです。
そういう偏狭な態度がレパートリーを狭めているのではとも思い、まあ年の初めだからと軽い気持ちで購入してみました。
マリア・カラスのベスト版とのことですが、日本語解説を読むと「舞台で歌わなかった役のアリアが半数近くを占めて
」とあります。オペラ門外漢の私には、それさえも「そうなのか」と思って読みながらカラスの歌声に聴き入りました。amazonのレビュでは「もしあなたがマリア・カラスにまつわるすべての大騒ぎの背後にある理由を知りたいのなら、このCDを買いなさい。(中略)このCDは16人の女性を訪れるようなもので、彼女たちはすべて興味深く、全員が偉大な歌手なのだ!
」とあります。
果たして私は、これがカラスの歌声と意識して聴くのは、おそらく初めてなのだろうと思います。印象としては、決して転がるようなソプラノの美声ではなくことに驚きました。むしろメゾ・ソプラノのような声質をひきずっています。それゆえにというのでしょうか、独特の存在感と迫力を聴かせてくれます。歌声の背景から、何かが迫ってくるかのようです。
全部で16曲収録されているが、思いの他の満足を得ると同時に、やっぱりカラスは実演で聴いていたら魅せられているのだろうなと思わせるものの片鱗を感じることができました。
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