2021年7月8日木曜日

ドゥダメルのマーラー交響曲第8番、壮大な音の洪水

Apple Musicのハイレゾ化、「空間オーディオ」と「ロスレスオーディオ」を十分に体験できる音源として提供されているもののひとつ、ドゥダメルとロサンゼルス・フィルによるマーラーの交響曲第8番です。

これは既に発売済の、2012年2月のマーラー没後100年記念演奏とは別もので、2019年5月と6月のウォルト・ディズニー・コンサートホールでのライブ録音です。

https://music.apple.com/jp/album/mahler-symphony-no-8-in-e-flat-major-symphony-of-a-thousand/1565928607

  • Tamara Wilson(sop)
  • Leah Crocetto(sop)
  • Joelle Harvey(sop)
  • 藤村実穂子(mez)
  • Tamara Mumford(mez)
  • Joseph Kaiser(ten)
  • Ryan McKinny(bar)
  • Morris Robinson(bas)

超絶的にして「音の洪水」のような音源です。これでもかと声楽とオケが絡み合うのを聴くと、「宇宙が鳴り響く様子」「我々が耳にするのは、もはや人間の声ではなく、惑星や太陽の周回」というのも、分からなくもありません。

ライブであったら、実際はこういうバランスで、ソリストの独唱とオケと合唱が聴こえることはないのではないか、と思ったりします。であるがゆえに、録音芸術としての音楽鑑賞体験ということになりましょうか。

この曲は一部と二部に分かれていて、そもそも長いので、あまり親しんで聴くことはないのですけれど、今回は久しぶりに歌詞の対訳を見ながら聴いてみました。

面白いのは第二部で、マーラーを聴いているのに、ワーグナーの楽劇を聴いているのではないか、と思うような場面も多々ありました。また、「ファウスト」のテーマである、女性的なものによる魂の救済ということも含めて、ワーグナー的であり、ドイツロマン系譜の集大成的な音楽だと改めて思った次第です。

ドゥダメルとロサンゼルス・フィル音は、どこかやはり明るさを感じます、こういうスペクタクル音楽にあいますね。藤村さんのアルトも迫力で、一聴の価値があります。

暑くなってきましたし、何度も聴くと疲れるので、この辺で。

(参考)


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