Apple Musicのハイレゾ化、「空間オーディオ」と「ロスレスオーディオ」を十分に体験できる音源として提供されているもののひとつ、ドゥダメルとロサンゼルス・フィルによるマーラーの交響曲第8番です。
これは既に発売済の、2012年2月のマーラー没後100年記念演奏とは別もので、2019年5月と6月のウォルト・ディズニー・コンサートホールでのライブ録音です。
- Tamara Wilson(sop)
- Leah Crocetto(sop)
- Joelle Harvey(sop)
- 藤村実穂子(mez)
- Tamara Mumford(mez)
- Joseph Kaiser(ten)
- Ryan McKinny(bar)
- Morris Robinson(bas)
超絶的にして「音の洪水」のような音源です。これでもかと声楽とオケが絡み合うのを聴くと、「宇宙が鳴り響く様子」「我々が耳にするのは、もはや人間の声ではなく、惑星や太陽の周回」というのも、分からなくもありません。
ライブであったら、実際はこういうバランスで、ソリストの独唱とオケと合唱が聴こえることはないのではないか、と思ったりします。であるがゆえに、録音芸術としての音楽鑑賞体験ということになりましょうか。
この曲は一部と二部に分かれていて、そもそも長いので、あまり親しんで聴くことはないのですけれど、今回は久しぶりに歌詞の対訳を見ながら聴いてみました。
面白いのは第二部で、マーラーを聴いているのに、ワーグナーの楽劇を聴いているのではないか、と思うような場面も多々ありました。また、「ファウスト」のテーマである、女性的なものによる魂の救済ということも含めて、ワーグナー的であり、ドイツロマン系譜の集大成的な音楽だと改めて思った次第です。
ドゥダメルとロサンゼルス・フィル音は、どこかやはり明るさを感じます、こういうスペクタクル音楽にあいますね。藤村さんのアルトも迫力で、一聴の価値があります。
暑くなってきましたし、何度も聴くと疲れるので、この辺で。
(参考)
- Gustavo Dudamel Announces New Album ‘Mahler Symphony No. 8’ u discovermusic 2021.5.19
- ドゥダメル指揮/ロサンゼルス・フィルの「マーラー 交響曲 第8番 "千人の交響曲"」 現代音楽とマーラーと 2021.6.16
- マーラー:交響曲第8番 対訳歌詞 新日本フィルハーモニー交響楽団
- マーラー:交響曲第8番 曲目解説 山田和樹マーラー・ツィクルス bunkamura
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