チェンバロ奏者のジャン・ロンドーと、彼の友人トーマス・ダンフォードのリュートによる、ルイ14&15世時代のヴェルサイユの音楽です。
https://music.apple.com/jp/album/barricades/1503354664
- フランソワ・クープラン:『謎の障壁』(神秘的な障壁)(「クラヴサン曲集第2巻」第6組曲より)
- ロベール・ド・ヴィゼー:『組曲第7番ニ短調』
- ミシェル・ランベール:『過ぎゆく日々』
- マラン・マレ:『人間の声』(「ヴィオール曲集第2巻」より)
- フランソワ・クープラン:『プレリュード ハ長調』(「クラヴサン奏法」より)
- フランソワ・クープラン:『メヌトゥ嬢』(「クラヴサン曲集第2巻」第7組曲より)
- マラン・マレ:『夢想家』(「ヴィオール曲集第2巻」より)
- フランソワ・クープラン:『子守歌、またはゆりかごの中のいとし子』 (「クラヴサン曲集第3巻」第15組曲より)
- マルカントワーヌ・シャルパンティエ:『何も恐れずこの森に』H.467
- ジャン=アンリ・ダングルベール:『組曲第3番ニ短調』より「プレリュード」「サラバンド」
- アントワーヌ・フォルクレ:『ポルトゥゲーズ』『シルヴァ』『ユピテル』
- ジャン=フィリップ・ラモー:オペラ・バレ『エベの祭典』より「あなたにまた会えた」
- ジャン・ロンドー(クラヴサン)
- トーマス・ダンフォード(アーチリュート)
- リア・デサンドル(メゾ・ソプラノ)
- マルク・モイヨン(バリトン)
- ミリアム・リニョル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
タイトルの「Barricades」はアルバム一曲目のF.クープランによる「神秘的なバリケード」から取ったものでしょうか。
以下の輸入元解説に様にあるように、チェンバロとリュートの組み合わせに、最初は戸惑いながらも、その音楽すぐに親しむことができます。
Listeners may be puzzled to see this release of French Baroque pieces by lutenist Thomas Dunford (a Frenchman despite his English Renaissance-ready name) and harpsichordist Jean Rondeau, for the combination of lute and harpsichord did not exist as such during the period.
チェンバロとリュート、時には声楽やガンバとの響きは優雅に溶け合い、まさに最初からそこにあったかの音楽の様に、自然で心地よい音楽を奏でてくれます。
このアルバムも、最近流行りの編曲モノ、あるいはコンセプト・アルバムという範疇に入るのでしょうか。余り親しみのない作曲家の曲も、ビビッドに聴くことができます。二人は相当慎重に、今回の編曲を試みているようです。
Dunford and Rondeau take lute pieces or keyboard pieces, and a few that originated with neither instrument (hear the gorgeous selection from Marais Pieces de viole), assigning the melody to the intended instrument and allowing the other players to add harmonies and ornamented lines. Its not alien to the concept of continuo accompaniment, but the effect is unique and often haunting.
The New York Timeに、アルバムについてダンフォードとロンドーが語っている記事が掲載されています。
“We kept playing and playing, trying to get the best possible take,” Mr. Dunford said of that track. “We had been playing it for six hours, and it felt like so much energy, like in rock ’n’ roll. Jean said, ‘My fingers are melting.’ And I said, ‘You can do it, man.’ And we kept on going.”
確かに、フォルクレの『ユピテル(ジュピター)』の何と刺激的な音楽であることか!
とにかく、これだけでも一聴の価値があります!
他にも神秘的なバリケードのMVも公開されていますが、こ、これは・・・、濃すぎます!
RONDEAU This repertoire is very, very specific in terms of style. French Baroque music is unique. It’s noble music. It speaks to Louis XIV’s love for the arts in general, and dance. He was a beautiful dancer.And at the court of Versailles, there were a lot of musicians, and the creation was prolific, with the composers interpreting their own music. What we wanted to do with this project was recreate this spirit. Not the social spirit of Versailles, but the spirit of the musicians, the creations.
このアルバムが繰り返し聴くことに耐ええるものであるとともに、ロンドーのチェンバロだけではなく、ダンフォードのガンバも、もう少し聴いてみたくなりました。
(参考)
- Barricades / バリケード~ルイ14&15世時代のヴェルサイユの音楽【輸入盤】 Warner Music Japan
- バリケード~ルイ14&15世時代のヴェルサイユの音楽 タワーレコード
- The Gentle, Brilliant Bros of French Baroque Music NewYork Times 2020.6.9
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