2021年7月3日土曜日

トーマス・エンコ & Vassilena Serafimova の「Funambules」

フランスのジャズピアニスト、トーマス・エンコ(Thomas Enhco)と、ブルガリアのマリンバ奏者、ヴァシレナ・セラフィモワ(Vassilena Serafimova)のデュオアルバム、2016年の発売。ピアノとマリンバの演奏は、先に取り上げた「Bach Mirror」(Clala:リンク)の前作にあたる録音でしょうか。あまり日本語の情報がありません。 

https://music.apple.com/jp/album/funambules/1452298690

  1. Eclipse (Thomas Enhco)
  2. Signs of Life - Blood Pressure (Patrick Zimmerli)

    Sonata for Two Pianos in D Major K.448 (Wolfgang Amadeus Mozart)
  3. Allegro con spirito
  4. Andante
  5. Molto Allegro

  6. Palimpseste (Thomas Enhco)
  7. Pavane Op.50 (Gabriel Fauré)
  8. Dilmano, Dilbero - variations on a Bulgarian folk song (Vassilena Serafimova & Thomas Enhco)
  9. Mare a Mare (Vassilena Serafimova)

    Sonata for Solo Violin No. 1 in G minor, BWV1001 (Johann Sebastian Bach)
  10. Fuga (Allegro)

    Le Carnaval des Animaux (Camille Saint-Saëns)
  11. Aquarium
  12. Bitter Sweet Symphony (Richard Ashcroft / Keith Richards / Mick Jagger)


アルバムタイトルは「Funambules」、訳すと「綱渡り」とあります。

ピアノとマリンバのデュオというのも、結構クセになります。ここではセラフィモワの超絶的な演奏に注目です。マリンバとは鍵盤楽器なのか打楽器なのか、セラフィモワの音楽的運動性能により、マリンバがここまで多彩な音楽を奏でられるとうことにも驚かされます。

モーツァルト、フォーレ、バッハ、サン=サーンスなどの編曲に加え、エンコやセラヴィモワによる曲もあ収録されています。クラシッククロスオーバー的なアルバムに分類されるのでしょうか。エンコはジャズピアニストとのことですが、いわゆるバリバリのジャズとか、意味を変容させるような編曲というより、原曲の持つイメージを漂わせるような編曲です。

モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ K.448」はモーツァルトが残した唯一の2台のピアノによるソナタです。曲の持つ明るさがマリンバの音によって強調されて、子供たちが転がったり、陽だまりで居眠りしているかのような印象で、思わずに口元が綻ぶような明るさと朗らかさに満ちた演奏です。

こちらもミュージックビデオがYouTubeなどに公開されまいますが、現代的でなかなかカッコイイ仕上がりです。

https://youtu.be/n7rpyt86VoM

この曲の後に、エンコ作曲の「Palimpseste」、シームレスに雰囲気を継続したまま、フォーレのパヴァーヌ編曲版が続きます。これがまた雰囲気が良いです。

「Dilmano, Dilbero」は二人の男女による歌の入ったJazzyな曲で、中間部で壮絶的に盛り上がります。

と、書いていくとキリがないのですが、非常に新たな発見と楽しみに満ちたアルバムです。

セラフィモワに関しては、こちらのMVも必見でしょうか。トーマス・エンコ自らのツイートです。


(参考)

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