2004年12月14日火曜日

TV:戦場のピアニスト

昨日のテレビで「戦場のピアニスト」を放映していたんですね。途中から観たので、真面目な感想を書くまでには至りませんが、とにかく凄まじい映画でした。話題になるだけありますね。


映画前編に漂う哀しさは覆いようもなく、あっという間に変化してゆく時代の流れ、不条理なまでの差別と殺りくには、映画でありながら胃がせり上がってしまうような恐怖と絶望を感じたものです。




DVDのジャケットにもなっている廃墟のシーンは、涙も出ないというほどの圧倒的な迫力。戦争の虚しさをこれほどまでに映像表現したシーンは、ざらにはないかもしれません。ポランスキー自信の実体験がなければ描けない映像かもしれません。


ユダヤ人迫害という点ではスピルバーグの「シンドラーのリスト」などを思い出す人もいるかもしれませんが、私は戦闘シーンのドキュメンタリーを見ているような迫真性に、むしろ「プライベート・ライアン」冒頭の上陸シーンを重ねてしまいました。あるいは、ロイター通信などが最近伝えたファルージャ虐殺の様子とか・・・人間の命が雑巾ほどの価値もない状況に慄然とし「撃たないでくれ!」と声を上げそうになります。


ピアニストのシュピルマンの行動については、私は弱さとか卑怯さは感じません。彼ほどに強靭な精神の持ち主は逆にいないのではないかとさえ思います。だから彼が戦後にラジオ放送を再開したときの笑いの中に見せた苦渋の表情には、言葉にはできない感情が込められているように思えました。


音楽的には、私はショパンという作曲家にあまり馴染んではいないのですが、この映画を観たからには、ショパンにまつわるイメージに、私の中である縁取りができてしまったことは否定できないですね。モーツアルトにまつわるイメージが映画「アマデウス」に影響されてしまうように・・・TVで観ただけなのに、それほどまでに強烈な映画でありました。