2005年8月10日水曜日

大東亜戦争の真実

勝谷誠彦氏がご自分のサイトで、

週末何をおいても紹介しようと思っていたのは実は今号の『WiLL』だったのだ。これまたある意味では重大なスクープである「東條英機宣誓供述書」という日本人なら是非読んでおくべき記事が掲載されているからだ。戦後すぐに公刊されや否やGHQがあわてて発禁にしたというこの文章を抜きにして東條像いやもっと大きく戦前の日本政府の政策をあれこれ言ってきた連中は怠慢というほかはない。
書いているのでわざわざ買って読んでみたが何ですかありゃ。渡部昇一氏は「近現代史の超一級史料」と主張するが「参考資料」のひとつ程度ではないのか? 大東亜戦争は侵略戦争ではなく自衛の戦争であったと主張したい方々には、随喜の涙を流さんばかりの文献だろうが、私にはだから何なんだという感じ。

「満州の領土とか守ろうとしていたのに、大国が日本を経済封鎖するもんだから、やむにやまれず米国に宣戦布告しました、国際法的には合法な戦争」ということらしく、「あんなことされたら、ルクセンブルクだって宣戦する」って状況なのだったとか。北朝鮮が今、宣戦布告したら彼らも自衛戦争? 日露戦争後の日本国と悪の枢軸の北朝鮮では前提がそもそも違うということか?

私には自衛だったのか侵略だったのか、判断するほどの知識はないものの、日本を守るという旗印のもと結局は日本国民を滅ぼす道を(愚かにも)選択した指導者の国民に対する責任や、アジア諸国に対して行った戦争の惨禍と責任は決して薄まるものではないと思う。本当に「原爆」が落ちなければ日本は「一億総玉砕」へ進んだのか? 戦争になるように仕向け、更に日本の奇襲を知りながら成功させたアメリカのしたたかさには、物量以前に負けていたはずだが。

そもそも「大東亜戦争」という呼称が多くのことを含みすぎている。「アジア・太平洋戦争」と言い換えても良いが、「中華民国」を相手にした戦争と、「東南アジア」を舞台とした戦争の二つだ。東條英機の論理は、中華民国への足がかりを守るために行った東南アジアを舞台にした自衛戦争という論理だ。

満州の領土ということに関しては、満州南部の鉄道及び領地の租借権を得た日露戦争後のポーツマス条約にまで遡るらねばならない。戦争に勝てば領土を得ることは戦争の常識ではあるのだが、それは列強諸国が行ってきた帝国主義と何が違うのか私には良く分からない。ロシア(ソ連か)はけしからん国であるという点だけは間違いはないと思うが。

気が向けばそのうち表に書く。

ちなみに勝谷氏の意見には剋目して聞く点は多々あると思っているが、全面的な肯定には至っていない。