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2004年7月2日金曜日

アムラン/シチェドリン:ピアノ協奏曲第2番

アムランのショスタコとのカップリングは、ロディオン・シチェドリンというロシアの作曲家のピアノ協奏曲第2番(1966年)です。シチェドリンという作曲家は、名前を知るのさえ初めてです。CD解説などによると、シェドリンはピアノの名手で、自分のピアノ協奏曲やソナタなどを自演しているそうです。この曲も1967年にロジェストヴェンスキー指揮、モスクワ放送交響楽団の演奏で初演を飾っているとか。

さて、そんなピアノの名手による現代のピアノ協奏曲ですが、"Dialogues"という副題の第一楽章から、かなり激しくそして鋭い音響が耳をつんざきます。ピアノとオーケストラの作る高い緊張感が聴きどころでしょうか。アムランの硬質にして強靭なピアノが冴えます。

現代音楽的というと敬遠しがちですが、決して聴きづらいわけではなく、劇的にしてメロディアスな曲です。ピアノは縦横無尽にオケとの対話を繰り返し、いくつものクライマックスを作ってゆきます。第ニ楽章は"Improvisations"との副題が付いています。この楽章も鋭い音響が続きますが、このせわしなさは時代を感じさせます。ラスト近くに現れるフルートとピアノのソロ部、それに続くピアノソロは、この曲で一番美し部分でしょうか。

それでも何と言っても面白いのは第3楽章に尽きます。ヴァイオリが奏でる暗く哀愁を帯びたメロディが続いていたかと思うと、突然にそれが打ち破られ、驚くことにジャズ風の(というかまさにジャズそのものの)音楽が現れます。まるでライブハウスでジャズコンボを聴いているような感じです。目の前の風景に突然亀裂が生じ、別世界を垣間見るかのごときです。

フルートのソロが叩きつけるようなピアノと奏でられるところも、捨てがたい魅力があります(>つーか、フルートソロなら、何でもいいという説も・・・)。こういう渾然とした断章のような風景が、ラストに向けて再び激しいオケとピアノに塗りつぶされる様は何とも圧巻です。副題が"Contrasts"となっているのも頷けます。

そんなわけで、初めての作曲家でしたが十分に楽しむことができますし、滅多に聴く機会のない曲であるだけに、ありきたりのピアノ協奏曲に飽いた方にはCDとしてはお得かなと・・・

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