2006年4月13日木曜日

山田真哉:さおだけ屋はなぜ潰れないのか?


こんなベストセラー本を今購入することは、「ダ・ヴィンチ・コード」を購入するよりも勇気が必要です。「いや~、オレっておカネに疎いし、やっぱ会計?必要でしょう」みたいなフリを装い、レジでは本を裏返しにして差し出す。本と一緒に受け取った釣銭の枚数など確認もせずにレシートと一緒に財布にグシャリと突っ込み、早々にレジカウンター前を立ち去る。そういう自意識過剰的行動、あるいは中学生などがコンビにでよからぬ雑誌を買うような、そんな苦労をしなければ、今更白昼堂々と購入できるものではありません。


しかし、そういう苦労をして購入してみたものの、一体これは何なのかと。どうしてこんなに売れたのだろうと考えてしまいました。





最近の新書はネーミングの良い本が良く売れる傾向にあるようです。「バカの壁」や「上司は思いつきものを言う」などその好例でしょうか。ベストセラーになる以前に本書を手に取った人は「さおだけやの謎に深く迫る話題作」を期待したかもしれません。しかし、新聞や雑誌などで話題になっていることを知った人は、本書が「さおだけや」のハナシではなく「会計学」の入門書であることを、かなり知っています。


ということは、世の中には「会計学」について学びたいのだけど、難しそうでよく分からないとか、類書に当たったけれども挫折したてしまったという人が多くいて、そういう潜在的な会計学欲求層をうまく刺激したということなのでしょうか。それとも、ベストセラーの相乗効果としてのベストセラーなのでしょうか。


本書が会計学の入門書として良書であるかはさておき、著者が言っているのは、難しい話ではなく「数字やお金のセンスを磨こう」ということに尽きています。昨今の日本は、一般の人たちも「経済」というものの動きを身近に捉え始め、さらに自己責任の範囲でなくては資産形成ができない社会であると思うようになりました。そういう中にあって、おカネに無頓着でいると取り残されるてしまうという焦燥感が、本書を読む人の底のどこかに潜んでいるのかも知れません。所詮私もサラリーマン、お金は「振り込まれる」もので、税金は「知らないうちに引かれている」ものでしかありませんから、これぢゃあね・・・。