2006年1月18日水曜日

人材の育成


「内田 樹の研究室」で、まさに今紹介した経営本に通ずるようなエントリを発見。「即戦力といわれても」と題されたもので、玄田有史氏の『働く過剰』(NTT出版)から下記の部分を引用されています。



わが社のことを最も熟知し、会社と個人のあいだで強い信頼関係を形成している、わが社にしかいないような人材を、自前で育成することでしか、本当の意味での差別化は不可能なのである。したがって、最終的には、即戦力の調達だけでは限界があり、人材の育成を重視する企業だけが、ビジネス上、優位に立てるのだという、当たり前の結論に到達することになる。(9-10頁)


「ビジョナリー・カンパニー」では、以下のように書かれていました。


角度を少し変えるなら、ビジョナリー・カンパニーの延べ千七百年の歴史のなかで、社外人材が最高経営責任者になった例は四回しかなかった。(P.294 「第八章 生え抜きの経営陣」)


すなわち、優秀な経営陣の継続性と、それによる基本理念の維持。自らの企業のことを最も熟知した、文字通り「生え抜き」が企業を持続的に発展させると指摘しています。ジャック・ウェルチはCEO就任と同時に、クロトンビルという幹部養成機関を徹底的に改革し世界でも一流の開発研修所に作り変えました。一にもニにも、企業の競争力の源泉は人材にあることを理解した上での行動であったと言えます。転職とヘッドハンティング天国が米国の実態ではなく、それは単に「結果の不平等」に対するセーフティ・ネットとしての「機会の平等」の帰結でしかないのかもしれません。