大田区立龍子記念館は昭和38年、龍子画伯喜寿の記念に自ら設計し自費により建設されたものです。記念館の傍らには伊豆から運んだという桜などが植えられています。
この龍子記念館に隣接して龍子のアトリエと自宅があるのですが、見学を依頼すると庭などを案内してくれます。本日は4名ほど、たまたまその恩恵にあずかることが出来、冬空のもとゆっくりと説明を伺いながら、龍子の跡を辿ることができました。
庭に入ってすぐの左手に池(今は水はもう湧かないらしい)があるのですが、これは終戦の3日前に爆弾が落ちて池になった場所なのですとか。爆風で母屋は吹き飛んだものの、幸いにしてアトリエは夏で窓を開け放っていたため爆風が通り抜け、奇跡的に昔のまま(硝子も!)の姿で残ったのだそうです。
有名な爆弾散華(下図:昭和20年)は、その時のことを描いた絵なのだと説明していただきました。残念ながらこの絵は、現在外出中だそうです。
龍子は画家になっていなければ建築家になっていたそうで、その自宅やアトリエの設計、庭の手水鉢にも彼のこだわりが見て取れます。和風建築ですが、建具のデザインひとつとっても、その簡素さと洗練さには驚くばかりです。
龍子は大きな絵を描きますからアトリエは檜の板敷きで60畳、天井高さは4mもあるのですとか。庭はアトリエごしに庭の四季の変化を楽しめるようにできており、まるで龍子の日本画を思わせるような植物が生い茂っています。
梅は小さいながらも固い芽をふくらませつつあり、春を告げるのを待っているかのようでした。改めて、花の咲いた時期にでも再訪したいと思わせる場所です。
THE WEBSITE OF MR & MRS MORIYAに川端龍子のことが詳しく掲載されていますので、興味のある方はご参考まで。
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