今回はヴェネツィア風 - イタリア様式の協奏曲がまとめられているもの。前半がチェンバロ曲、後半がオルガン曲となっていてCDにすると3枚組、演奏時間も3時間17分と、これまた聴き通すのも大変です。
しかし、実際に聴いてみますと、バッハの多彩な音楽が次から次へと表れて、全く飽きることがありません。バッハの凄さを改めて感じるとともに、アラールの音楽性に脱帽するのみです。もう、音楽はバッハだけでいいや、という気に(一瞬ですけど)なったりもします。
アラールのバッハの鍵盤作品を時代を追ってすべて録音するという膨大なチャレンジは、聴いていて壮大な旅をしているような気にさせられます。この旅が、この先もずっと続くことを願わずにはいられません。
TOWER RECORDS
発売元解説
[CD1]にはヴァイマール時代後期、ヨハン・エルンスト公子の注文を受けて行われたイタリア様式を取り入れた協奏曲のクラヴィーア用編曲群でその作品はヴィヴァルディ、トレッリ、マルチェッロの協奏曲に基づきます。アラールはこれらの作品をマッティア・デ・ガンドの歴史的なチェンバロを用いて演奏しております。
[CD2]には種々の協奏曲のオルガン編曲作品を中心に収録。アラールがここで使用した楽器は、なんとペダル付きチェンバロです。通常BWV 593やBWV 596の協奏曲はオルガンで演奏されますが、当時のドイツではペダル付のクラヴィコードも演奏されていたことから、アラールが以前から愛奏しているチェンバロにペダルを付けて演奏しております。アラールは「私の考えでは、ペダル付のチェンバロでの演奏はバッハがこれらの編曲作品を作ったときに意図したものです。」と語っており、実に興味深い試みといえます。
[CD3]は有名なジルバーマン兄弟の兄、アンドレアス(アンドレ)・ジルバーマン(1678-1734)が1710年に制作した歴史的なオルガンを用いての演奏。この楽器はアンドレアスが制作したオルガンの中で現在も状態が良いと評価されている数少ない銘器です。アラールはオルガン協奏曲の中でも大曲の協奏曲 ハ長調 BWV 594を収録。また、最後にはトッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564を演奏しております。この作品は北ドイツの伝統的様式と、新しいイタリア協奏曲様式が融合した「イタリア体験」の結実ともいえる名曲です。
第1弾では1699年から1705年の間のJ.S.バッハが10代で作曲したものを収録。
「北へ」と題した当第2弾では、15歳で兄のもとを離れて北ドイツのリューネブルクに向かったバッハが、ゲオルク・ベームやラインケンのオルガン演奏および音楽に出会い、さらに20歳の頃にはリューベックの地でブクステフーデに傾倒した時期の、バッハの作品および、バッハの先達たちの作品群がプログラムされています。
第3弾では、23歳でヴァイマールの宮廷につかえるようになったバッハが「若き巨匠」として鳴らした時期の、フランス音楽への顕著な興味と表情豊かな試みが見られる作品が収められています。(Clala-Flala記事)
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