2006年1月8日日曜日

ベートーベン:交響曲第5番/テンシュテット キールpo.


テンシュテット ベートーベン交響曲第5番

  • テンシュテット(指揮) キールpo.
  • 1980.3 Live
  • Weitblick SSS0056-2


キール・フィルハモー管弦楽団、あまり馴染みのないオケとテンシュテットのライブなのですが、すさまじいの一語に尽きる演奏です。他との比較で聴いてはいませんが、第一楽章からスピード感のある推進力と迫力を聴かせてくれます。


オケがうまいとか、そういうことではなく、指揮者とオーケストラが一体となって熱いパッションを振りまいています。「運命」の第一楽がこんなにも短く感じたことはありません、それほど最初から高テンションです。


syuzoさんも「テンシュテット:禁断の部屋」で指摘されていますが、低弦とティンパニの音が非常に響きに重厚さを与えています。やたらと打楽器が強調されていたにも関わらず、ある意味で「軽く神経質な」印象を与えたラトルのものとは全く異なることは、言うまでもありません。ベートーベンを聴く至福が第二楽章においても充分に味わえます。


確かに、オケがちょっと危なげに聴こえる部分がないわけではありません。しかし、それが音楽の「総体」に一体どういう影響を与えるというのでしょう。渾然一体となった表現の前には瑣末的な問題でしかありません。


輸入代理店である東武ランドシステムが簡単なコメントを付けています。


隅々まで緊張感が漲り、かつ雄大、豪快なアプローチは他のディスクを引き離します。
ドイツのオケならではの奇麗ごとに終わらない切実で献身的な演奏が心に染み渡ります。


確かにそうです、しかし演奏は心に染み渡るなどというレベルを遥かに凌駕しています。前へ前へと前進してゆく力、推進力、漲る加速感、なにも第三楽章から終楽章へ至る部分だけではなく、この演奏全体を支配している強烈なエネルギーであり、まさにそれがこの曲の持つ命だと言わんばかりの演奏です。


終楽章を聴いていて理性的であり続けることは、ほとんど困難を極めます。最後までティンパニがまた凄いんだ! あまりに力強く、確信に満ち、ポジティブな壮絶さに、実際に聴いているだけで、うっすらと汗ばんでしまいます。こういう音楽は、やはりベートーベン以外、他の誰も描けなかったと思う演奏です。(>いやはや、こんなに単純に感動していて良いものだろうか・・・)