ということで、今日はオズボーンの演奏です。
ピアノ・ソナタ 第1番(ソナタ・ファンタジア)op.39
ジャズ・スタイルによる24の前奏曲集op.53より
ピアノ・ソナタ 第2番op.54
スティーヴン・オズボーン(p)
hyperion MCDA67159
オズボーンは1971年生まれのイギリスのピアニスト、アムランに先立って1999年9月に録音したのがこの盤です。二つのソナタ(No.1、No.2)とジャズ・スタイルによる24の前奏曲集から5曲をチョイスした構成。
オズボーンのピアノを聴くのは初めてです。アムランほどの自在さは彼のピアノからは感じられませんが、アムランに馴染んでからオズボーンを聴きますと、アムランの演奏が鮮やかすぎるせいでしょうか、こちらの演奏は大人しく堅実に聴こえます。もっとも聴き手の体調によってはオズボーン盤の方がしっくりくるときもあるかもしれません。アムランとオズボーンを比較するのも愚なようですが、アムランが「ドライブ」しているとすれば、オズボーンは「ライド」と言ったところでしょうか。
オズボーンがソナタ第1番、2番をhyperionに録音してしまったので、アムランの演奏が録音されないと嘆く方もいるようですが、私は結構楽しく聴くことができました。オズボーンの演奏がどうこうというよりも、カプースチンの曲が良いです。
ピアノ・ソナタ第1番は1981年の作品、カプースチンはこの曲を作るまでに幾つもの曲(コンチェルトを含む)を作曲していますから、ソナタへの着手は彼のキャリアを考えるとかなり遅いようです。そこらあたりの事情をオズボーンはCould it be that, intimidated by his predecessors, he shied away from the sonata, as did Brahms from shmphony?と推測しています。(ピアノ・ソナタは現在では13番 Op.110まで作曲されています)
ピアノソナタ第2番は、特に第一楽章がオズボーンの演奏では指定ピッチよりも遅すぎて、精彩を欠いているという評も目にしますが、他者の演奏比べているわけでもないので、彼のテンポと曲作りが私には刷り込まれてしまいました。
二つのピアノソナタはかなり秀逸な作品だと思います。ジャズのエッセンスをクラシックに当てはめたとかいう表層的なものではなく、クラシックの曲としての構成美と美しさが、ジャズの自在さを獲得して羽ばたいているかのようです(うーん、どう書いてもうまく伝わらない、聴きなさい)。「ジャズとクラシックの融合」と書いたときに感じる「胡散臭さ」は微塵もない厳格なる曲です。アムランやカプースチン、その他の演奏者がどう弾くかは興味深いです。
私的なLife Log、ネット上での備忘録、記憶と思考の断片をつなぐ作業として。自分を断捨離したときに最後に残るものは何か。|クラシック音楽|美術・アート|建築|登山|酒| 気になることをランダムに。
2004年10月9日土曜日
オズボーン/カプースチン:ピアノ作品集
今週の東京は地震に台風ですか、休日はひどい天気になりそうでウンザリです。今年最後の三連休ですのにね。(これが終われば、そろそろ「忘年会」の声さえし始めるような気配です)
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